岡倉天心の書籍「東洋の理想」The Ideals of the East with Special Referece to the Art of Japan は1903年、明治36年にロンドンで発行された、「アジアは一つである」という書き出しからインド文化、中国文化、日本文化の関係を概観し、そのあと飛鳥時代から、奈良、平安・・・と明治時代まで、日本の歴史を基軸に時系列で東洋・西洋の文化を振り返る、美術家の目で見た、系図書きのような、通史です。最後に展望という章で明治維新以降の西欧文化、東洋文化を対立させ、その後どうなるのだろうか・・と問題を投げかけて終わる。
「茶の本」The Book of Tea は1906年、 明治39年にニューヨークで出版された。茶の文化を主題に東洋文化を世界に紹介している。
五浦海岸は波乱万丈の哲学者、美術家、天心の別荘のあったところで、晩年、米国ボストンで半年、ここ五浦海岸で半年というサイクルで生活したところとされている。
五浦海岸とはいったいどんなところか、興味があり、WITHコロナの体制となり久しぶりに出向いたものです。
茨城大学五浦美術文化研究所内には、瞑想に耽ったといわれる六角堂、センターボードを付けた釣り船や洋芝が手入れされている天心邸の庭などがあり、西洋文化を完全否定するのではなく、良いものは受け入れているさまも見ることができました。
また、茨城県天心記念五浦美術館の展示も見事で、企画展 東京美術学校 課題画展 と 常設展示 を見学 書籍も数冊仕入れることが出来ました。
夜間ライトアップされた六角堂
夕方の六角堂 大観荘より
天心邸から六角堂越しに太平洋を見る
天心邸の庭は天心がボストンから種を持ってきたという洋芝が綺麗に手入れされている。
崖を見たり波濤を見たりするために作ったとのこと
窓越しの(外側からの撮影のため海までは二面のガラス越し)太平洋
内部は茶室になっている
空が晴れてくれて星空が見えました
カメラがうまく支えられず、光がとぐろを巻いてしまいました。
レンズを対角線魚眼レンズに取り換えて北斗七星からアークトゥルス、スピカまで雄大な春の大曲線が現れました。
水平線の一部が明るくなり下弦の月が静かに上がってくる
月が上がり、海面に銀色の路が現れる 波頭が白い帯を作って波打ち際を際立たせる
地球照が綺麗に撮れました
下弦の月、あと数日で朔日となる。
旧暦12月28日 三日月の反対
天心が暮らした明治38年から明治45年頃も同じような景色だったのでしょうか?