アルプスに降った雨は長距離を流れて海にそそぐ、ヨーロッパの川は日本と比較すると大変距離が長い様です。
降水から飲用までの時間が長く、その結果ミネラル分を多く含む硬水になっています。硬水の度合いが過ぎて、飲用には適さず、16世紀以前は、ビールやシードルなどが飲用されていたとのことです。ワインは高級品だったそうです。
1662年ポルトガルの王女キャサリン・オブ・ブラガンザはイングランド王チャールズ2世との結婚にあたり、ポルトガルが拠点としていた、ボンベイ・タンジュールという貿易の要所の土地、及びブラジルで生産された砂糖、その他お茶等を持参しました。
当時の砂糖は同じ重さの銀と交換されるほど高価なものだったようですが、砂糖を入れてお茶を飲む習慣が始まりました。
最初は緑茶が導入されその後、硬水に適合した紅茶が後に主流となった様です。
常にアルコール分を帯びた飲料しかなかった中で、お茶を淹れることで水を飲用することが出来るようになった訳です。まさに、≪お茶ハンパない≫です。
当時の欧州人が保存した肉を食べていた生活を想像すると、肉の味を良くする香辛料の需要も高かった。喜望峰を回って何か月もかけ、香辛料、お茶などを確保してくる命がけの航海に出る気持ちがわかるような気がします。