地球上の2地点(A、B)間の距離をd [km]、点A、点Bの標高をそれぞれH1 [m]、H2 [m]、地球の半径をRとします。この2地点がぎりぎり直接見渡せるとき、視界が水平線と接する点をCとします(第1図参照)。点Aと点Cの間の距離をd1、点Bと点Cの間の距離をd2すると、次の式が成り立ちます。
d = d1 + d2 ---- (1)
すると、点Aの側について、ピタゴラスの定理から、次の関係が成り立ちます。
R^2 + d1^2 = (R + H1)^2 ---- (2)
これを展開して整理すると、次の式が導かれます。
d1^2 = 2R• H1 + H1^2 ---- (3)
ここで、Rに比べるとH1は十分に小さいのでH1の2次の項を無視すると次の近似式が得られます。
d1= SQRT(2R• H1) ---- (4)
実際に式(4)に R = 6370[km] を代入すると次の近似式が得られます。
d1 = 3.57•SQRT(H1) ---- (5)
点Bの側についても同様の関係があるので、次の近似式が成り立ちます。
d2 = 3.57•SQRT(H2) ---- (6)
式(1)、式(4)、 式(5)からまとめると、次の近似式が成り立ちます。
d = 3.57•[SQRT(H1) + SQRT(H2)] ---- (7)
これで一般式が求められました。
石垣島於茂登岳の標高は525.8m、与那国島宇良部岳の標高は231.2mです。これを式(7)に代入すると、d = 136.1 [km] となりますので、この2つの山の間の距離がこれ以下であれば、この間で見渡すことができることになります。与那国島と於茂登岳の位置関係は第2図のとおりですので、於茂登岳から与那国島の方向を見た場合、視界を遮るものがないことがわかります。また、この2点間の距離はおおよそ119.6kmぐらいですので、於茂登岳の山頂から、与那国島の宇良部岳が見える可能性があることがわかります。
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