石川県珠洲市産
【環境省レッドリスト2020】なし
【石川県レッドデータブック2020】なし(絶滅危惧I類に選定されているマルケシゲンゴロウは実際には本種である)
能登地方:珠洲市。加賀地方:なし。
県内の生息地は極めて局地的で珠洲市の3箇所のみが知られる。井村(1996)、鴨池昆虫調査研究会ほか(1997)、富沢ほか(2011)、大宮ほか(2012)、富沢(2008,2013)により報告されたマルケシゲンゴロウはサメハダマルケシゲンゴロウであることが判明しているので注意が必要(渡部,2016)。
森・北山(2002)や中島ら(2020)でマルケシゲンゴロウとして扱われていた種は異なる種であり、Watanabe & Biström(2022)によりオニギリマルケシゲンゴロウ Hydrovatus onigiri として記載された。石川県においてマルケシゲンゴロウとされていた種は全てオニギリマルケシゲンゴロウである。
堆積物が多い止水域の浅瀬に生息するが生態は不明点が多い。
成虫は灯火に飛来する。
井村正行(1996)石川県未記録のマルケシゲンゴロウの記録. 翔, (122):1.
鴨池昆虫調査研究会・財団法人 日本野鳥の会国際センター・ 財団法人 サンクチュアリセンター(1997)片野鴨池昆 虫調査報告書. 25 pp. 財団法人 日本野鳥の会.
森 正人・北山 昭, 2002. 改訂版 図説 日本のゲンゴロウ. 231 pp. 文一総合出版.
中島 淳・林成多・石田和男・北野 忠・吉富博之, 2020. ネイチャーガイド日本の水生昆虫. 351 pp. 文一総合出版, 東京.
大宮正太郎・福富宏和・吉道俊一・富沢 章・川瀬英夫・浅 地哲也・入場 登・樋口陽平・嶋田敬介(2012)加賀市 片野鴨池における石川むしの会採集観察会 (2012)での採集記録. とっくりばち, (80): 1–7.
富沢 章(2008)加賀南部の水生昆虫I. 小松市立博物館研究紀要, (44):1–12.
富沢 章(2013)2012 年における河北潟の水生昆虫調査結果. 河北潟総合研究, (16): 1–6.
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野村進也・渡部晃平(2010)奥能登における希少ゲンゴロウ類2種の初記録.とっくりばち,(78):52-53.
渡部晃平(2016)石川県におけるマルケシゲンゴロウ属の分布.さやばねニューシリーズ,(24): 53-56.
Watanabe K, & O. Biström,(2022)A new species of the genus Hydrovatus Motschulsky (Coleoptera: Dytiscidae) from Japan. The Coleopterists Bulletin, 76 (1): 115–121.