石川県珠洲市産
【環境省レッドリスト2020】絶滅危惧II類
【石川県レッドデータブック2020】絶滅危惧II類
能登地方:珠洲市、輪島市。加賀地方:なし。
石川県では2001年に初めて記録され、県内では奥能登地方でのみ確認されている。分布は局地的。
ため池に生息する。
飼育下ではマツモとシャジクモ科植物の表面に単独で産卵する様子が観察されている。
26℃における成育期間は卵(5日以内)、1齢幼虫(3〜4日)、2齢幼虫(3〜5日)、3齢幼虫(7〜14日)、上陸〜蛹化(2日)、蛹化〜羽化(4日)、上陸〜羽化脱出(8〜9日)である。
幼虫は頭部中央の突起を巧みに使いカイミジンコを捕食する。
飼育下でカイミジンコのみを与えた幼虫が全て上陸に至るまで成育し、カイミジンコは本種の成育に十分な栄養を備えていることが判明した。幼虫は野外でも餌の1つとしてカイミジンコを利用している可能性がある。
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