投稿日: Nov 03, 2016 3:51:34 AM
2016年11月2日(火)
和歌山市にある社会福祉法人一麦会「麦の郷」(むぎのさと)さんを訪問しました。
ここは、1977年に設立した非認可の心身障害者共同作業所からスタートして、
精神障害者、障害乳幼児、不登校児、ひきこもり者、高齢者の問題に取り組む
総合リハビリテーション施設を目指して40年間先進的な事業を展開されてきました。
現在は、子ども支援部、労働支援部、就労・相談支援部・地域生活部・法人事務管理部の5部門で、
障がい者の就労や生活サポートに取り組んでおられます。
設立のきっかけは、当時、養護学校の設立が進められたにもかかわらず、
そこで教育を受けた生徒たちの働く場所がなかったことから、
障がい者も働ける場所を作ることを目指されたそうです。
その後、40年をかけてさまざまな事業に取り組んでおられます。
クリーニング事業、食品加工事業、直売所での売店、レストラン、グループホームなどです。
障がい者のそれぞれの特徴を生かせる仕事を創りだし、
働くことで生きがいややりがいを感じてもらいながら生活ができるような仕組みになっています。
中でも私が興味深いと思うのが、食品加工事業(ラ・テール、けいじん舎、ソーシャルファームもぎたて)です。
和歌山県内の規格外農産物をジュースやゼリーにしたり、パンをつくったりしています。
農家さんからは、小ロットで受注してくれる加工会社がほとんどないため、
口コミで麦の郷さんに発注を依頼する農家さんが増えており、
農家さんは自分の農産物だけを使った加工品ができることに喜んでくれ、
また麦の郷の仲間たちは、たくさん仕事が来て売れていくことがすごく楽しいとのことです。
最近では、奈良や新潟などからも依頼が来るようになり、
新商品にもどんどんチャレンジされています。
紀の川市にある紀ノ川農協とも協力し、紀ノ川農協の直売所「ふうの丘」にも
麦の郷さんの売店(カフェ風車)とレストラン(mulino)があります。
ここでも障がいをもった方も一緒に楽しんで働かれています。
レストランの食材は紀ノ川農協のこだわり農産物。
いろんな繋がりを創りながら、社会や地域に貢献したいという想いのなかで、
どのように障がい者も活躍できるのかということを長年考えてこられた様子が窺えます。
それぞれが得意なことを活かせる職場は今後の社会においてすごく重要になると思います。
今後も新たな事業がスタートしそうなので、楽しみです。