今年度は6名の学部生、1名の修士学生が無事に卒論・修論を書き上げて卒業されました。感染症対策に翻弄され、描いていた大学生活を描けなかったと思いますが、これを糧に社会に出て頑張っていただければと思います。
【修士論文タイトル】
農産物の小規模農業生産関連事業体の事業展開及び継続に関わる意思決定要因 ―社会関係資本の視点から―
【卒論タイトル】
食に関する経験が大学生の社会や環境に配慮した食品購買行動へ及ぼす影響
農産物販売におけるPOP情報が購買意思と行動に与える影響
ファストファッション消費における行動変容要因―ファストファッションの社会問題に関する認知に着目して―
農業ボランティア活動が高齢者の心身及び生活に与える影響―畑ヘルパー倶楽部を事例に―
奈良町における町家活用の現状と課題―地域住民および町家活用型店舗経営者の視点から―
移住者による起業が地域住民および地域外住民にもたらす効果に関する研究―奈良県吉野郡吉野町の「くにす食堂」を事例に―
井上本店さんの木樽
今日は久しぶりに学生たちと奈良の生産者さんを訪問しました!
行先は、京終のお醤油蔵である井上本店さんと、斑鳩町でおふの生産をされているふ政商店さんです。私自身は井上本店さんは3年ぶり5回目、ふ政商店さんは5年ぶり3回目の訪問となりましたが、どちらも新しい形態になっていたり、新しいことにチャレンジされていたりと、感激する内容もたくさんありました。
まずは井上本店さん。イゲタ醤油として奈良県内では有名で、原料はすべて国産のものを使用しておられます。その割にはリーズナブルで庶民にとってはありがたいお醤油です。原料費や瓶などの資材費が高騰してはいるものの、地域の人たちに日常的に使用してほしいという思いから、それほど値上げはしていないとのことです。井上本店さんではコンクリートで醤油を製造してこられたのですが、蔵の中に木樽がありました!徳島で木樽が生産されているのですが、木樽生産できる職人さんが激減しており、このままでは職人さんがいなくなり木樽もなくなってしまう危機状態にあります。そこで徳島や奈良のお醤油屋さんが、この木樽を購入することで木樽職人さんを育てるというプロジェクトを立ちあられたそうで、井上本店さんはその一環として木樽を購入されたとのことでした。木樽で仕込んだお醤油も商品化されており、とても香がいいお醤油でした!
ふ政商店さんは、感染症対策によって販売先が減ってしまい、廃業を検討するまで追い込まれていたそうです。しばらく行っていない間にこんなことになっていて衝撃でした…しかし、もともとふ政商店さんのお麩を使っておられた飲食店さんが、「このお麩がなくなっては自分たちの料理が出せない!」ということで、ふ政商店さんを買収し、お麩生産の技術を残すことができました。この日はお父様から技術を引き継がれた娘さん(職人さん)にお麩づくり体験もさせていただきました。
昼食に、ふ政商店さんのお麩をいただける「Cafeこもど」さんでしっかりとお麩を堪能させていただきました。
中小企業が制度面、経済面で追いやられる傾向が目立つ今日ですが、伝統や職人の技術を継承するために、地域の人たちで支え合っている姿が見受けられ、素敵だなと感じるとともに、引き続き応援したい気持ちが高まりました。このような企業さんたちにもっと支援ができないものか、多くの人たちにこの現状をしってもらいたいと思います。
井上本店さんの麹室
Cafeこもどさんのお麩ランチ
ふ政商店さんでのお麩づくり体験
満足したゼミ生たち
この3年ほど開催できていなかった西日本産直協議会展示会。今年度は開催できることとなり、ゼミ生たちと行ってきました!
今年度も20社ほどの企業さんや生産者さんたちが出展しており、久しぶりにみなさんと顔を合わせて話をすることができ、とても充実した一日となりました。この協議会を中心となって引っ張って来てくださったSさんが、学生たちにすべての出展者を紹介してくださりました!恐縮です…
3年間で活動が止まっているかを思いきや、むしろ逆で、ますます活発的になっている生産者さんや企業さんたち。いろんな意味で励みになりますし、一緒に地域の食や平和な社会にむけて頑張っていきたいと思いました。