行為心迫

Tatendrang(D)

目標の十分に定まらない欲動の亢進を心迫とよび,行為心迫とはある程度のまとまりのある行動についての心迫を指す。躁病の際,1つ1つの言動や行動は目的も意味もありまとまりのある行動であるが,全体でみると言動や行動がころころと変わってしまう状況に使われることが多い。じっとしていられずに,電話やメールを次から次にかけたり,契約や売買を次々結んだり,次々に人に干渉したり,しゃべり続けたりと次々に行動を起こす。目的は一定しないので,活動性が亢進していても全体としては行動の方向性が散漫となり,社会生活面の機能は低下する。

(船山道隆)