gustatory hallucination (E), Geschmackshalluzination (D), 

hallucination gustative (F)

味覚に関する,あるいは味覚領域に生じる幻覚。幻覚は「対象なき知覚」と定義されるが,他の知覚に比して味覚においては「対象がない」ことは第三者には判断しがたく, 臨床的にはよほど奇異な訴えでもないかぎり, それが味覚過敏なのか, 錯味なのか, 幻味なのか区別することが困難なことが多い。統合失調症では幻味は被毒妄想と結びつきやすく, そうと訴えられない場合でも被毒妄想の裏には幻味やその他の味覚異常が相当程度あるものと推定される。また幻味はてんかん発作としても現れることがあり, その際には側頭葉中部が関与するといわれる。

(関由賀子)