(3)摺 上(すりあげ)
取、受、互いに膝詰の間合いで対坐する。
受は、取の頸部を痛めようとして、気合いとともに、腰を挙げながら両足を爪立てて右手の五指を揃え伸ばし、その掌で取の前額部を後ろ上方へ摺り上げていく。
取は、これに応じ、体を僅かに右へ開き上体を反らしながら、腰を上げて両足を爪立てて、右手の拇指を下にして掌を前に向けて受の右手首を上方へ受け流して握り、左手の拇指を外、掌を上にして受の右腕の付け根のあたりに下方からあて、両手の働きで受の体を前方へ崩す。と同時に、右蹠頭で水月に当て、直ちに左膝頭を軸に体を右に開いて右膝を畳につけながら、両手で受をその直前に強く捻って引き落とし、左手を握りかえることなく受の腕(腕の付け根)を上から抑えて制し、右手で受の右掌を下にしてその腕を前に押し出し、左膝、右膝(足先はともに流したまま)と体を前に進め、腰を下ろし、左膝頭を受の右肘のくぼみにあてて摺り出すように押しつけながら、右手を働かせて受の肘関節を「腕挫膝固」で極める。