(5) 腮 押(あごおし)
「肩廻」が終わった位置(正面を左にして、取は前、受は、その後ろにそれぞれ自然本体で立つ)から、取は、左足、右足と進み、次いで右足を軸にして左足を進め右向きになり(背が正面に向く)自然本体で立つ。
受は、右手の指(拇指が上)を揃えて伸ばし、右腕をまっすぐに伸ばして、右足から継ぎ足で進み(「突出」と同じ)、取の腮を右側から押し回そうとする(およそ3歩目に取の腮に当たるように少しずつ挙げる)。
取は、まず腮をしめ、顔を左に回しながら、左足の踵を軸にして足先を左に向け、体を左へ開くとともに受の右手を外すと同時に、右手で受の右掌を下から順(拇指が受の掌に)に握り、受をその攻撃の方向へ引き出して崩し、右足をその左方へ大きく1歩進め、その足を軸にして受の右手の下をくぐって体を左へ180度開き、受の右腕を捻ろうとする。
受は、左手の掌を上に五指を揃えて伸ばし(はじめ、左肘は体側に添える)、左足を進めながら取の烏兎を突いていく。
取は、体を起こしながら、左手で、受の左手の突きを迎えてこれを下から順(受の小指側から拇指を掌にあてる)に握り、左足を右足左方へ退き、次いで右足を右に移して自然本体になりながら、受の両腕をそれぞれ後ろ上方へ引き伸ばせば、受は、右足を退いて後ろ向きになる。
取は、受の両腕を後ろ上方へ十分に引き伸ばした後、受の両手をそれぞれの肩の背面近くに押し下げ、受の体を真後ろへ崩して制する。受は、どちらかの足をわずかに退いて「参り」の合図をする。
取は、左足から1歩前に出て、受の両手を緩め、技を解く。