常陸大宮市に流れる久慈川周辺には階段の様になっている地形「段丘」を特徴的に観察することができる。段丘とは、主に河川の下流域に見られる階段状の地形であり過去と現在の河床の高低差によって形成される。 では段丘を形成した河床の高低差とは何によってもたらされたのだろうか?
その要因の一つとして「氷期と間氷期における海水準変動」が挙げられます。およそ260万年前から現代に至るまでの期間(第四紀)では寒冷な時期(氷期)と比較的温暖な時期(間氷期)を振動的に繰り返す「氷期ー間氷期サイクル」という地球規模の環境変動が起こっている。氷期には水が氷床として固定されることによって海水準が低下する(海退)。間氷期には氷床が融解することによる融解水が海世に供給されることによって海水準が上昇する(海進)。
海進海退によって削られる河床の高さが変わることに加え隆起や沈降といった地殻変動や気候変動による影響なども複合的に作用することによって現在の複雑な段丘が形成された。