日立鉱山と日本最古の地層

主に黄鉄鉱と黄銅鉱が含まれている、鉱床周辺の岩石

日立鉱山で採掘されていた鉱床は、日本最古のものであることが知られています。この鉱床ができたのは日本列島が形成されるよりも遥か昔で、日立鉱山の鉱床で採掘された銅鉱石は、5億3000万年前のものであるということがわかっています。

上の写真は、日立鉱山の鉱床周辺の岩石です。断面に見える黄色の斑模様は主に黄鉄鉱という鉱物ですが、この写真のような岩石は厳密に言うと鉱石ではありません。実際には経済的な利益につなげるため、より多くの鉱物がまとまって含まれるものが鉱石として採掘されます。日立鉱山の鉱床には、主に黄銅鉱・黄鉄鉱・閃亜鉛鉱・方鉛鉱が含まれています。

また、2019年にはこの鉱床で新鉱物が発見され、「日立鉱」と名付けられました。この発見は、この地層が形成されたころの環境などを探る手掛かりになると考えられています。