渓谷をつくる岩石

竜神峡の遊歩道の両側には、ごつごつした黒っぽい岩石がみられます。近づいてよく観察してみると、角ばった礫がたくさん集まってできていることがわかります。

これは昔、この地が海底だったころ、巨大な海底火山の一部でした。海底に噴いたマグマが海水で急に冷やされることでバリバリに割れてできた岩石です。下の図のような縁や割れ目もこの時にできたものです。このように水中で噴出した火山岩を水中火山岩といいます。

ちなみに、ここで見られる水中火山岩は「男体山火山角礫岩」と呼ばれており、袋田の滝を構成している岩石と同じものです。この角礫岩は浸食に強く、竜神川が流れる河道以外は削り残され、現在のような急峻な渓谷ができました。