観察ポイント① 緑色片岩

 緑色片岩に見られる片理

小木津山自然公園内の不動滝に向かう林道の脇に、高さ3m程の露頭(地層や岩石が露出している場所)があります。この露頭には、上の写真のように層状で片理¹の発達する緑色片岩が露出しています。露頭の下に落ちている石をよく見ると、薄い岩石が何層にも重なっており、爪で簡単にはがせることがわかります。緑色片岩という名の通り、それぞれの層は灰緑色や濃緑色であり、単層ごとに少しずつ色が違っています。この地層は赤沢層²で、このあたりの岩石は細粒で変成度が弱く、変形も弱い片岩です。もとの岩石との変化が小さいため、約5億年前の化石を含む可能性がありますが、未発見となっています。

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 片理とは、鉱物が一定方向に配列することによってできる面的な構造のこと。片理がみられる岩石は層状に割れやすい。

2 赤沢層は、約5億年前の地層で、SiO₂(二酸化ケイ素)の含有量が少ない塩基性火山岩(溶岩や岩脈)と火山砕屑岩からなり、少量の凝灰質堆積岩を挟んでいる。現時点では日本最古の地層である。


参考文献(もっと詳しく知りたい方は是非ご覧下さい!)

小木津山自然公園に関する資料田切2012)