常陸太田

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1.日本最古の地層

常陸太田市長谷町や町屋町の茂宮川の最上流部には、約5億年前の日本最古のカンブリア紀の地層(赤沢層)が見られます。この常陸太田市と日立市にまたがる日立変成地域には、日本列島がまだ大陸の一部であった頃の古い地層が見られます。最も古いものは約5億年前の“カンブリア紀”とよばれる時代のものです。日本列島の誕生する前からの長い歴史をイメージしてみて下さい。

常陸太田市長谷町の林道を進んで行ったところには、約5億年前のカンブリア紀に溜まった地層が見られます。この5億年前というのは、現在日本で確認されている年代としては最古の年代のものです。当時の海洋には、今では想像も出来ないような奇妙な形態をもつ生物がいました。そこまでの林道脇には、約1億5千万年前の白亜紀の地層が見られます。恐竜の時代の後期です。この時期には様々な変成作用を受けたとされ、現在でもその研究が続けられています。

常陸太田市町屋町にある「角閃岩」や「片岩」とよばれる石の採石場では、角閃岩と片岩が交互に重なり、層になっている様子が見られます。この地層の中の「角閃岩」のなかから5億700万年前の年代が得られています。

◎常陸太田は貴重な石の宝庫!

町屋や里川周辺では、「町屋石」とよばれる透角閃石かんらん岩がみられ、水戸徳川家の墓石に用いられています。水戸藩ではこの岩石の採取を禁止していましたので、現在でもあまり利用されていません。この周辺の林道沿いから里川にかけてこの町屋石の石ころが見られます。また、真弓山からは大理石が採掘されており、国会議事堂など多くの場所に使われています。人の歴史でみても、1万4000年前の遺跡から石で作ったナイフが見つかっています。また、縄文時代(約3500年前)の珠や古墳時代(約1500年前)の瑪瑙の勾玉が見つかっています。

2.竜神峡

竜神峡は、竜神川が長い年月をかけて周辺の地層を削っていったことによってできた峡谷です。そこに架かる「竜神大吊橋」は、茨城百景の一つにも挙げられている鉄橋です。1994(平成6)年の開通以来、毎年多くの観光客が訪れる一大観光スポットです。吊り橋の塗り替え作業は今までに2001年と2013年の2回行われました(写真は2013年の塗り替え後)。橋長は375mを誇り、本州一の歩行者専用の吊り橋です。地上高100mの橋上から望む八溝・阿武隈山系の山並みや水府の街並みもさることながら、橋の中ほどに設置されたアクリルの透過板から見下ろす竜神ダムの湖面も見逃せません。日常では経験できないその眺望からは、身がすくむようなスリルと自然の驚異を感じられることでしょう。竜神峡の空中写真を見てみると、まさに竜の姿に見えます。やはり竜神峡の奥に竜が潜んでいたという伝説は本当だったのでしょうか?

周辺にはおみやげ屋さんやレストラン、鉱泉などがあります。また、ハイキングコースが充実しており、亀ヶ淵や武生神社など様々なスポットへ行くことができます。ハイキングコースからは竜神峡の様々な淵や瀬,また眺望などを楽しむことができます。 竜神大吊橋周辺だけではなく、亀ヶ淵や赤岩展望台などのコースにも挑戦してみましょう。

    1. 竜神大吊橋 竜神川が作った竜神峡に架けられた吊り橋で、上からは峡谷の新緑や紅葉といった景色やダム湖を見渡すことができます。この吊り橋の高さは100m、長さは375mあり、歩行者専用の吊り橋としては本州一の長さです。構造的には1本3トンに耐えられるピアノ線が1,159本束ねられたことで、約1,000トンの力、人が3,500人通行しても耐えられる力を誇っています。ピアノ線も重要ですが、それを支える硬い地盤も重要なのです。また、2013年春に2回目の塗り替えがなされ、新たな姿を見せました。また、2014年3月より日本最大級のバンジージャンプ施設がオープンしました。このV字谷の高低差を体感できます。季節ごとに様々なイベントが開かれています。(渡橋料310円、バン

    2. ジージャンプ14,000円)木精の鐘 竜神大吊橋の対岸に、”木精(もり)の鐘”と名付けられたカリヨン施設があります。カリヨンとは23鐘2オクターブ以上を奏でる楽器のことです。ここでは「愛」「希望」「幸福」の3つの鐘の音がなります。「愛」の音は二人でボタンを押さないとならないため、カップルに人気のスポットとなっています。カップルにかぎらず、親子、友人などで竜神峡に響き渡る鐘の音を楽しんでみてはいかがでしょうか?

    3. 渓谷をつくる岩石 吊り橋を渡った先には「常陸太田ジオサイト」の看板があります。こちらも読んでみて下さい。その後、東屋の先の階段を降りていくと、その道の両側でゴツゴツした石が見られます。これは「男体山火山角礫岩」という名前で、この周囲の山が海底で火山活動をしていた頃に吹き出した溶岩によってできた硬い岩石です。溶岩が10cm程度の「礫」となり、その周りは火山灰でうめられています。この石は男体山や袋田の滝や鍋足山などをつくっているものと同じものです。これほど大きな吊り橋を支えるためには、その力に耐えられる硬い地盤が必要なのです。あわせて、これほどの地盤を地上へと動かした地球のパワーと、深く削りとった川の水の力というものは計り知れないものですね。

    4. 竜神ダム 竜神ダムは、竜神川を堰き止めてつくられたダムです。1960年代頃にこの竜神川の下流域で洪水が頻繁に起こったことからつくられ、1979年3月に完成しました。このダムの完成によってできた“竜神湖”は、空中写真ではまさに竜の形に見え、合計300万㎥の水を貯めることができます。遊歩道を通りながら、空に架かる竜神大吊橋とともに、紅葉や新緑の風に泳ぐ鯉のぼりなども見ることができます。

    5. 亀ヶ淵 竜神ダムから約3km、時間にして小一時間歩くと到着します。竜神峡には様々な淵や瀬があります。代表的なものとして竜神峡最奥部の中央に「亀ヶ淵」という淵があります。この亀ヶ淵は、古い滝壺が変化してできたと言われています。このような淵や瀬は流水によって周囲の岩石を削って作られた地形です。亀ヶ淵には伝説があり、淵の底は大子町上小川のわにが淵に通じているとも、常陸太田市天下野の百目木の源太淵に続いているとも言われています。さらにこの水は日立市水木町の泉が森に噴き出しているものだとも言い伝えられています。

3.棚倉断層

棚倉断層は日本列島の骨格形成の時に重要な役割をはたしたと考えられています。それは今から1500万年前の出来事です。

右の写真のように、急な崖が直線的に連続して並んでいるのが観察できます。これが断層崖です。山地と畑の境目のあたりに断層が走っています。断層の西側には男体山を構成しているデイサイト質の「男体山火山角礫岩」が分布しています。ここで観察される断層崖は、男体山火山角礫岩が固く、風化・侵食に対して強いために、断層により切断された部分が急な崖として残ったものです。棚倉断層は、北北西-南南東に並走する2条の断層です。ここで観察できる断層はそのうちの一番西側に位置するものです。

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参考資料:

2012年度作成・ジオテキスト(発行:常陸太田市商工観光課、制作:地質情報活用プロジェクト)より。

2014年3月1日更新