この地層、近くで観察すると不思議なことに気が付きます。今まで見てきた白亜紀層は下から上に向かって、礫から砂など粗い粒から細かい粒へと変化していました。しかし、ここで見られる地層は、細かい粒から粗い粒へと変化しています。実は、ここの地層は逆さになっているのです。このような地層を「逆転層」と言います。では、なぜここだけ逆転してしまったのでしょうか?

これは、一度斜面にたまった地層が、斜面の地すべりなどで動き、かき乱されたためにできたものと考えられます。このようなものを「スランプ構造」と言います。 斜面等にたまった地層は、堆積した直後はやわらかく、とても不安定な状態にあります。そのような時、地震などが起きると斜面が崩れ、地層が重力で下に流れます。さて、ここでタービダイトと異なるのが、地層が崩されず移動することです。そのため、一見層状になっているのに周りの地層の傾きとは違う「畜生岩」ができたのです。