③日本最古の地層

 不動滝上流の不整合

ストップ3周辺で見ることができるカンブリア紀(5.4~4.9億年前)の地層は、現在発見されているものでは日本最古のもので、2008年に当時まで日本最古とされていた岐阜県飛騨山地にあるオルドビス紀(4.9~4.4億年前)の地層の記録を更新しました。

上の写真は、観察スポット③の不動滝のさらに上流で撮影したものです。ここに行くためには不安定な沢の中を通らなくてはならないため、万全な装備がないと行けません。この場所では川を境に、上流を見て右側が石炭紀(3.7~2.9億年前)のもので「大雄院層」、左側がカンブリア紀のもので「赤沢層」と呼ばれています。この時間間隔は赤沢層が石炭紀に陸地であったことから生まれました。また、陸地であったために赤沢層は風化侵食を受け、赤沢層中の花崗岩は礫になり大雄院層に堆積しました。その後全体が約1億年前に変成作用を受けることにより、花崗岩は変成花崗岩、礫岩は変成礫岩となりました。

変成作用が起こる場所

◎変成作用について

変成作用とは、岩石が温度や圧力の変化にともない変化する現象のことで、上図のようにマグマだまりやプレート境界の周辺の温度や圧力の高い場所で起こります。日立の日本最古の地層はマグマだまり(日立市北部の花こう岩体)により変成を受けたもので、その証拠に北西部ほど変成の度合いが大きくなっています。