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①柳崎貝塚
海水が陸地にまで広がっていったものを海進と言いますが、 縄文時代早期末~前期前半(約6000~6500年前)に温暖化によって海水面が一番高く上昇(現在より約6m上昇)しました (この海進を縄文海進といいます)。 現在の海岸線から直線距離で約13kmの位置にこの柳崎貝塚があるのですが、 この場所に貝塚があるということはこの地域まで海進によって海が入ってきたことを示します。
このことは柳崎貝塚でヤマトシジミ、 稀にタニシ、ハマグリ、カキといった海水と淡水の混じり合う汽水環境に生息する貝類が発見されていますことからも言えます。 水戸周辺では吉田貝塚・谷田貝塚・大串貝塚などが発見され、柳崎貝塚はこの中で一番陸側に位置します (下図は天野一男編著 「茨城の自然をたずねて」 より)。
主に海進は地球の気温が上昇することによって極地の氷床が解けることで海水が増えて起こります。そして海進の逆の海退は主に極地の氷床が増えることで海水が減少し起こります。
しかし、縄文海進の後現在の海水面までの低下 (海退) は極地における氷床の増加ではありません。確かに現在と比べ、縄文時代は暖かかったのですが、実は極地の氷床が融けることで海水が増え、その海水の重みで海洋底がゆっくり沈んでいったため、見かけ上海退が起こり、現在の海水面になったのです。
この時代暖かかった理由としては、暖かい海流 (黒潮) が現在のように日本列島に近い南岸を蛇行することなく、東へ流れたことが考えられています。
以下(外部サイト)から縄文海進のシミュレーションを行うことができます。
このサイトにて水位を「6m」にすると縄文海進を簡易的に再現することができます。