五浦海岸(旧版)

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五浦海岸は、自然や歴史や文化がたくさん詰まった場所です。大昔、人類が誕生するよりもずっと前の時代は、ここは深い海でした。海の中で砂や泥などが溜まって、固まり、大地の変動によって海から姿をあらわし、陸地になりました。それが波の力で削られ、岩礁や崖ができて、変化に富んだ地形が美しい景色を見せてくれるのです。

見所紹介

亀ノ尾層

忘れじの碑近くの階段から海岸へ降りて少し歩くと、亀ノ尾層を観察することができます。この地層は縞模様をしています。灰色の触るとザラザラした層と、小麦粉を固めたような白い層。この2種類の層が何層も繰り返し重なっています。この地層は大昔に深い海の中で、細かい砂や泥がゆっくりとたまってできました。その年月の重みを感じてみてください。 この地層は深い海の底でできました。地層がどのようにできるのかは、主に「運搬」「堆積」の仕方に関係しています。水や風の流れによって砂利、 砂、泥などが運ばれて、海や川などの水底にたまったり、地表で集まってたまることを「堆積」と言います。この地層が深い海で堆積してできたとわかっていますが、それはなぜでしょうか? 浅い海では流れが強いので小さな砂粒や軽い泥は沖に流されてしまうため、粗めの砂などが堆積します。しかもその時に海底まで波の影響を受けるので、海底の砂は移動します。なので、特徴的な構造が地層に残ったりします。

それと違って、深い海では水中の流れが穏やかになり、海底まで波の影響を受けないので、流されてきた小さな砂や泥が静かにゆっくりと堆積します。その様子は雪が降り積もるようですが、もっと時間をかけて堆積します。このようにして堆積すると平行な縞模様ができます。

九面(ここづら)層

ベンチがある公園の奥の階段を下りて岩がちな海岸に出ると、そこは九面層です。潮の引いているときには、ぼこぼことした岩の様子をよく見ることができます。硬い部分があまり削れないのでこのようなすがたをしています。この岩の中からは、多くの貝化石や海底に住む生物の巣穴の化石がよく見られます。またムカシオオホホジロザメの葉の化石も発見されました。階段付近にも白い貝化石があるので探してみましょう! 五浦海岸では海に住んでいた生物たちの化石が見つかります。なかでもムカシオオホホジロザメの一部の歯が、噛み合わさった状態で発見されました。 この海岸は、砂浜ではなくゴツゴツとした岩が広がっています。潮が引いているときは硬い岩が水面から顔を出します。この岩の中には実はたくさんの貝化石があります。さらに1700年前に生きていたサメの歯や背骨の化石が産出しました。 サメの歯は、人間で言うと髪の毛のように抜けたら何度でも生え変わります。なのでサメの歯は海底中にパラパラと落ちていると考えられます。歯のような硬いものは化石として残りやすいので(肉などはバクテリアに分解される)、これらの点からサメの歯は比較的発見されやすいと言えます。

しかし、五浦海岸で発見されたサメの歯化石は、ある一匹のサメの歯が噛み合わさった状態という大変珍しい状態で発見されました!この一匹のサメは、命を絶っ た後に遠くからはるばる五浦へ流されてきたのではありません。歯が噛み合わさっているということは、サメがここ五浦に生息していたことを示しているのです。

六角堂

茨城大学五浦美術文化研究所内にある六角堂。近代日本美術の発展に大きな功績を残した岡倉天心が晩年居を構えた場所です。ここからの風景は、天心に何を思わせたのでしょう。また、天心はここで釣りを楽しんだそうです。現在は海岸侵食を防ぐために自然の岩の中に人口の岩が作られてあります。あなたは見分けられますか?岡倉天心(1862~1913):近代日本を代表する文明思想家。東京美術学校(現東京美術大学)校長の職を辞して、明治31(1898)年に弟子たちと共に日本美術院を創設しました。やがて、天心は五浦に居を構え、明治39(1906)年には日本美術院を再編成し横山大観ら四人の愛弟子を呼び寄せ、日本画の近代化を目指しました。茨城大学五浦美術文化研究所:観覧順路⇒①天心記念館(天心像や天心が釣りに使った船などが展示されている)→②ウォーナー像(ウォーナーは来日し岡倉天心に師事した人物)→③六角堂→④旧天心邸→⑤「アジアは一つ」石碑(天心はインドで一年間過ごした際に、法隆寺金堂壁画と、インド中部アジャンタにある壁画との類似性を見出した。それらの経験から生まれた言葉である)

■入場料 200円(小中学生以下は無料)

■開館時間 9:30~17:00まで(16:30入場締め切り)

■定休日 毎週月曜日(祝日の場合は翌日)国民の祝日の翌日、年末年始

■お問い合わせ TEL:0293-46-0766

■ホームページ:http://www.ibaraki.ac.jp/izura/goannai/index.html

よう・そろー

漁業歴史資料館「よう・そろー」では、海の伝統文化や漁業の紹介、また、市の魚「あんこう」の種類・生態・調理法などを展示しています・ブルーツーリズムの中核拠点でもあり、1時間程度の漁村体験ができます。よう・そろー脇にあるお店では北茨城の旬の味覚が楽しめます。お土産にぜひどうぞ!(右の写真は大津漁港) ブルーツーリズム:都市と漁村の交流で漁村体験をしたり、都会では味わえないものを、来て、見て、楽しんで心身をリフレッシュさせることができます。大津漁港のブルーツーリズムは漁業体験(1人、大人4000円、児童2000円)。魚料理体験(1人1000円~)。その他いろいろあります。茨城県北茨城市漁業歴史資料館よう・そろー

・第一展示場:郷土伝統行事 ・第二展示場:茨城の漁業 ・第三展示場:アンコウミュージアム ・第四展示場:御船祭の祭事船・町並み

■入館料金(団体割引あり)一般300円/児童・学生100円/65歳以上200円

■開館時間9:00~17:00まで(16:30入館締切)

■定休日毎週水曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始

■お問い合わせ TEL0293-46-8600

■ホームページ:http://www.otsuko-yo-soro.jp