地質観光マップのQRコード 解説ページ一覧平磯海岸②地震の化石? 「タービダイト」

②地震の化石? 「タービダイト」

ポイント②でみられる荒々しい磯は、海の斜面が崩れ、構成していた砂や礫が層状にたまってできました。ここでみられるたまり方を「タービダイト」といいます。

タービダイトは一回の流れで粗い粒から細かい粒へと順にたまっていきます。地震一回につき一回の流れが発生するとすれば、タービダイトの枚数は地震の回数をあらわしていることになりますね。

上の図を見てください。これは「柱状図」といい、地層の重なりを模式的に表したものです。縦軸が厚さ(高さ)、横軸が粒子の大きさを表しています。上には2本の柱状図が示してあります。左は、ポイント②周辺で見られるもので、礫から砂に変化したものが重なっています。この「礫から砂」が、一回の流れでできた一枚のタービダイトです。一方、右の柱状図は、砂から泥へ変化しており、一枚のタービダイトが左のものより薄いのが特徴です。これはポイント⑤周辺で見られるものです。なぜこのような変化が生じるのでしょうか?

上の図を見てください。これはー回分のタービダイトの模式的な図です。横軸が供給源(土砂が崩れた場所)からの距離、縦軸がタービダイトの厚さをあらわしています。粒子は細かいものほど遠くまで運ばれ、粗いものはあまり遠くまで運ばれません。また、供給源に近いほど土砂が厚くたまります。

ここで見られるタービダイトは、砂やレキなどの粗い粒を主体としています。これはこの場所が、土砂が流れ出した場所に近かったことを示しています。ここからポイント⑤に向かって歩いていきますが、海岸で見られる岩石の粒は、南ほど細かいものが多くなっていきます。さらに、タービダイトの一枚の厚さも薄くなります。つまり、南ほど土砂が流れ出した場所から遠く離れた場所、つまり、深い海だったと言うことになります