常陸太田市にある「西金砂神社」を越えた先には、ある程度整備された林道が続いており山を尾根沿いに進むことができる。いくつかのアップダウンを越えた後、写真のような地割れが姿を現す。
画像ではわからないが、斜め下の方向に2mほど地割れによってできたであろう割れ目が続いている。 割れ目の幅はそこまで広くなく、人一人くらいであれば通過できるであろうが、閉塞感を感じるため閉所恐怖症の方には少し怖いかもしれない。
地割れの上端部には明らかに周囲の岩石と様子の異なる部分が存在し、粘土化しているように見受けられた。まるで断層ガウジ(断層の運動によって岩石が粉砕され、粘土のように細かくなったもの)のような様相を呈していたので何かしらの破砕を受けた結果「地割れ」が生じたのではないだろうか。(所詮は筆者の妄想なので参考程度にしていただきたい)
写真の地割れ以外にも地割れと思われる露頭が尾根沿いに観察された。 我々が見つけたもの以外にも地割れは存在するものと考えられる。おそらく、それらも上記のような特徴を有していると考えられるため見つけた際にはぜひ観察してみてほしい。
写真は地割れに至るまでの道中で撮影したものである。
画像ではわかりにくいが、ほぼ垂直の壁が数十メートル下まで続いている。また、壁面を構成する岩石をみると大きく角ばった岩石を埋めるようにしてマトリクスが存在しており淘汰が非常に悪いことがわかる。
この周辺を構成するのは「男体山火山角礫岩」である。これはかつて海底で活動していた海底火山によって噴出した溶岩によってできた。 火山角礫岩は非常に硬く浸食に対して強いため周囲の地層が先に削れてしまう。こういった現象を「差別侵食」というがまさに写真の急崖は差別侵食によって形成された地形といえるのではないだろうか