大口町は、不交付団体です。(その2)
前回「大口町は、不交付団体です。2024年5月12日(日)」では、大口町を含め令和5年度の普通交付税不交付団体のご紹介や、町政60周年を機に編纂された「大口町史 現代史編」を通しての歴史的背景や、昭和の市町村合併時のお話しなどを記事にさせて頂きました。
今回は、「その2」という事で、不交付団体とは何ぞや、という事と、不交付団体である事の不条理な点などを記事にしたいと思います。
少し専門的な用語が出ますがご容赦願います。
上の資料は、6月定例会一般質問用で作成した資料です。
地方交付税は、本来は地方の税収とすべき税を、国税として国が代わって徴収し、その一定割合を国が合理的な基準で再配分する仕組みとなっています。
この「合理的な基準」というのが、上の資料9-1「地方交付税の算定方法」にある算定式になります。
「基準財政需要額」-「基準財政収入額」=「普通交付税額」です。
なので、「基準財政収入額」が「基準財政需要額」を上回る場合は、「普通交付税」は交付されない、となるわけです。
これが「不交付団体」になります。
式ですので、実際の各団体の予算・決算とは一切関係なく、原則として機械的に算定されます。
足りない需要額分は、その自治体の努力とか頑張りとかは無縁のところで機械的に補てんされるのです。
このように自治体の財源が保障されますので、下の資料9-2にありますように、必要な行政サービスを自前の税収だけでは賄う(まかなう)ことができない地域でも、他の市町村と同程度の行政サービスを維持する事ができるのです。
そういう意味で、地方交付税制度が果たしてきた役割は大きい、と資料を引用させて頂きました川端先生はおっしゃっています。
この事は、一面を見た場合の評価ですので、不交付団体としての立場では「いかがなものか?」と感じる事もあります。
特に東京都は、昭和 29 年度の「地方交付税制度」発足(ほっそく)以来、不交付団体が続いており、この決定がなされるたびに、「機械的な計算によって行われるもので、都財政の実態を正確に反映するものとはなっていない。」と不満を表明されています。
大口町は、「不交付団体」で在り続ける事に「誇り」を持っていますが、資料9-1にある「財政力指数」などの足元の数字や、敬愛する先輩議員が、「人の米びつに手を突っ込む所業」と怒りを持って懸念を示される税制改定による町税の減少など、取り巻く環境の変化は常に注視しておく必要があります。