新渡神社拝殿内に大黒天が安置されている。以前は二體(たい)あったそうだが、盗難にあって現在は一體のみが保管されている。高さ約63cm、幅30cm、重さ約20Kgぐらいで、一人で動かすには中々骨が折れる。
今日、一般的な大黒天像は、頭に頭巾をかぶり、手には打出の小槌を持ち、二俵の俵を踏んだものである。
頭に大きな頭巾をかぶっているのは、上をみるなということで、日頃から、謙虚であるべきことを教えている。また、二俵の俵の上に立っているのは、二俵で満足せよという「知足」の教訓を表現しているという。
大黒天が七福神としての性格を発揮しているのは、手に持った打出の小槌と米俵である。打出の小槌の「ツチ」とは、大地の土「ツチ」に通ずる。物はすべて大地より出る。
大黒天が「ツチ(槌)」を持つのは「ツチ(土)」から宝が生じるという意味であろう。「タカラ(宝)」とは「田から出る」からだという説がある。人間の命にまさる宝はない。
この命を繋ぐものは、田から出る米である。だから「田から」という。田を打って米を取り、土を打って穀物を収穫する。つまり土から(槌)宝を打ち出すという。
大黒天は、まさに豊作の神とされる所以である。