台風19号が日本を襲い各地に甚大な被害を及ぼした。(2019年10月)篠井の所々でも大きな被害が見られた。
写真に見られる下小池の金毘羅神社の御神体は濁流に押し流され、その姿を失ってしまった。
地域(下小池)に残る文書(江戸末)によると「当村之儀 天水場所にて年々水不足 田方仕附の節 難儀仕り候」とか「私共村方之儀は出沢出水の場所にて旧方附つかまつり候所 年々水不足にて苗代ならびに植付の節に相成りかね一同難渋つかまつり候」などの文書が残されている。
地域を救うべく百姓たちの中心になって働いたのが、下小池村の「取締役名主 高橋伊右衛門」である。
文政二年(一八一九年)には隣村である山口村との交渉の結果山口村の用水の末流から水をもらうことに成功した。
伊右衛門はさらに現在でも利用されている龍興寺用水開削事業の中心となり尽力した。龍興寺とは下小池町字下の内にある小寺であったが、明治初年の神仏分離で廃寺となった。
金毘羅神社の御神体には「文化六己巳2年十月吉日 金毘羅神社造営神座冥加 高橋伊右衛門 藤原基重 三十八才」との記録があり同伊右衛門を神として祭ったと思われる。
泥水に押し流され埋没した御神体がいつの日か金毘羅神社の境内に戻ってくれることを切に願ってやまない。