季節性アレルギー
決まった季節になると目がかゆくなったり、鼻水・鼻がつまったりしませんか?それは季節性アレルギー、いわゆる花粉症かもしれません。
2月から5月頃に飛ぶスギ花粉が有名ですが、5月~10月はイネ科の植物が多くなるなど、図の様にその種類によって発症する時期が一年の中でも異なります。梅雨に入ると花粉の飛散は減り、症状も一旦治まる方も多いです。しかし複数の花粉にアレルギーがある方だと年中症状に悩まされたりします。
対策で大事なのが、症状が悪化する前に対策を練る、ということです。
一度発症してしまうと目や鼻の粘膜が過敏になるため少しの花粉にも反応してしまい、花粉ピーク時には大変なことになってしまうのです。
そうなる前に花粉の飛散予測日から予め抗ヒスタミン薬など事前に飲んでおくと発症を遅らせる事が出来て花粉ピークの頃には症状を軽く抑えることができます。
そのためご自身がどの花粉にアレルギーがあるのかの検査を受けてその花粉がどの時期に多いのかを把握しておくと良いでしょう。
スギ花粉の予防に減感作療法というものがあります。
花粉の飛散期ではない6-12月に少しずつ原因物質を摂取し体を慣れさせておくと、花粉の時期にも症状が軽くなります。
8割の方に効果があるそうです。
症状があるけど原因がわからない!という方は、一度原因を調べてみて早めに対策を練るといいかもしれませんね。
自宅の環境を整える
l 帰宅前に服についた花粉を払い落とす
l 手洗いやうがい、洗顔で花粉を洗い流す
l 窓やドアを閉めて花粉の侵入を防ぐ
l 室内や寝具をこまめに清掃する
l 花粉シーズン中、布団は外に干さない
l 空気清浄機をかけて、室内の花粉を減らす
アレルギー性鼻炎のための薬
l 抗ヒスタミン薬
l 遊離抑制薬、抗LTs薬、抗PGD2薬、TXA2阻害薬
l 鼻噴霧(ステロイド、血管収縮薬)
l 点眼(抗ヒスタミン薬、遊離抑制薬)
l ゾレア(抗IgE抗体)
l アレルゲン免疫療法(予防)
l ノイロトロピン注射
※ノイロトロピンについては効果を示す大規模な臨床試験はなく 鼻アレルギー診療ガイドラインでは生物抽出製剤として触れられているものの、推奨薬には入っていない
花粉症・ドライアイ防止用メガネ
花粉症による結膜炎やドライアイの予防に役立つ眼鏡を紹介します。
私自身が気に入って使っている、JINSの「JINS PROTECT-SQUARE」です。
一見デザインは普通の眼鏡ですが、透明なフードがついており(下図の矢印)、かけている時に花粉が直接目に入るのを防ぎ、目の乾燥にもなります。花粉を最大99%カットしてくれるそうです。
レンズなし(伊達眼鏡)5,500円、レンズ入り7,700円位と比較的安価です。
花粉症、ドライアイの眼鏡をお探しの方は、検討してみてはいかがでしょうか。
つくば周辺だと、JINSはつくば駅トナリエ内、イーアス、土浦イオンにあります。
花粉の飛ぶ季節
スギ花粉症が有名だが、ブナ科(コナラ・クリなど)も日本の北部では5-6月に花粉症を起こすことが知られている。スギ・ヒノキ花粉症よりも少し遅れて花粉が飛散するため、スギ・ヒノキ花粉症の症状が長引く場合にはブナ科花粉症を疑った方が良いかもしれない。
花粉症と食物アレルギーの関連
ヒノキ、ハンノキ、シラカバなどの花粉症の人が果物を食べたときに、数分で口の中にかゆみやしびれ、腫れるなどのアレルギー症状が起こることがあり、口腔アレルギー症候群といいます。これらの花粉症の40%くらいの方が特定の果物に対してもアレルギーを起こします。
特定の果物とは、リンゴ、モモ、さくらんぼ、カキ、キウイなど。これらのタンパク質と、カバノキ科の花粉のタンパク質がよく似ており、花粉に反応する人はこれらの果物にも反応してしまいます。生で食べたときだけ症状が起こり、ジュースや調理した果物では起こりにくいといわれています。
参考文献・出典 鼻アレルギー診療ガイドライン2016より
記事作成 2022/3/5 深谷進司