◆関節エコー(超音波)
リウマチでは滑膜という組織が炎症を起こして腫れ、軟骨や骨を壊してしまう病気です。エコーは関節を包んでいる滑膜、軟骨、靭帯などの柔らかい組織の状態や、水が溜まっているかどうかなどを調べることが出来ます。
診察では炎症があるかどうかを触ってもわかりづらいこともありますが、エコーでは関節を包む袋(関節滑膜)が腫れているのか?水が溜まっているのか?骨が太くなっているだけなのか?がわかります。また炎症がある部分には血流が増加するという性質があります。ドップラーという方法で血流の信号を調べることで、現在の治療が十分かの判断材料とし、治療に役立てることができます。
レントゲンは炎症が続いたことによる不可逆的な変化をみる一方で、エコーは現在進行形の炎症がわかるため、関節が壊れてしまう前に治療強化すべきかどうかの判断材料になるということです。
エコーの利点
・体への負担が少ない。
・関節滑膜の腫れ、水の貯留、腱鞘炎などを見分けることができる。
・血流信号をみて炎症の強さを判断できる。
・骨の表面の変化(炎症により骨が削られてしまったかどうか)がわかる。
エコーの弱点
・骨の中は見えない。
・見た部分しか情報が得られない。一見で全体像がつかみにくい。
関節エコーの費用は、3割負担で1050円(ドップラ加算なし)または1650円(ドップラ加算あり)です。
2023年1月3日 深谷進司