シンポニー
(一般名;ゴリムマブ)
(一般名;ゴリムマブ)
シンポニーは、生物学的製剤の中で4番目の製剤として2011年に登場しました。皮下注射製剤としてはヒト本来の抗体構造と同じ構造で、効果減弱やアレルギーが起きにくくなっています。4週ごとにペン型の注射器で皮下注射を行います。投与量は50mgと100mgの2通りあり、メトトレキサートを併用できている場合は50mgか100mgを選べ、併用できない場合は100mgを用いると定められています。
シンポニーは、TNF阻害薬というグループに属します。関節リウマチの病状に大きく関わるTNFという炎症介在物質を抑え、関節炎を改善させる働きがあります。
TNF阻害薬にはレミケードを含めてオリジナル品が5種類、バイオ後発品が3種類あり、さらに近いうちに1種類の製剤が追加される予定で、バリエーションが豊富です。通常量での効果にそれほど大きな違いはないため、患者さんの状態や好みに合わせて選ぶことが可能です。選択のポイントとして以下が挙げられます。
・点滴で行うか、皮下注射で行うか、皮下注射の場合はどの注射デバイスを好むか
・妊娠希望の方に使いやすいか(胎盤通過性があるか)
・後発品で値段を抑えるか
・効果を高めたい時に増量ができるか
また、TNF阻害薬はメトトレキサートとの併用がとても重要で、単独で使用するよりもメトトレキサートと併用した方が高い効果が発揮できます。そのためすでにメトトレキサートを使えている人に適します。
シンポニーの利点は、①注射器が太く握りやすいことです。握力が弱めの方は持ちやすいでしょう。②効果を高めたいときに倍量の100mgを使用できます。③ヒト本来のタンパク質の構造であるため、中和反応やアレルギーが起きにくいです。
欠点というわけではないですが、使用上の制約を挙げます。
①メトトレキサートとの併用が望ましいです。TNF阻害薬は全般的にメトトレキサートと併用で効果が高まりやすいので併用が望ましいです。必須ではありませんがメトトレキサートが使えている方が適しています。メトトレキサートが使えない場合は倍量の100mgを使用することでメトトレキサートが使えない分の効果は補えますが費用は高くなります。
シンポニー(ゴリムマブ)の費用と特徴のまとめ
50mg4週分の値段は、1割負担で¥11,000、2割負担で¥22,000、3割負担で¥34,000。100mgを使用する場合は倍量の費用がかかります。
・4週ごとに皮下注射。注射器具は太く握りやすい。
・メトトレキサート使用時は、用量は50mgと100mgの2つが選べる。
・診断直後から使ってよい。
・メトトレキサート併用が望ましい(必須ではない)
以上、参考となれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
2022年8月16日 深谷進司