関節の痛みとその原因
痛みはもともと体に加わった危険信号を感知するための仕組みで、生存のために必要なものです。痛みを感じることで危険から逃れたり、体を休めなければならないと感じることができます。
しかしそれとは無関係に体の関節が病むと体の自由がきかず引きこもりがちになり、気持ちも沈みがちになってしまいます。
痛みそのものは本人にしかわからず、なかなか理解されずおつらい思いをされることもあるかと思います。関節の痛みの原因は様々で、炎症によるもの、長期・短期間に関節に負荷がかかったため起きるもの、冷えによるもの、神経が障害されたり過敏になったものなどがあります。
炎症で痛みが起こる代表例が関節リウマチ、リウマチ性多発筋痛症、痛風などです。
関節リウマチでは炎症により腫れ・熱を伴ってきます。
炎症をとることは痛みをとることに直結しますので、抗リウマチ薬を早期に使用していくことが重要です。
ただし痛みがとれても長期間に炎症が残っていると進行し変形が残ってしまうため、痛みのみならず炎症をしっかり鎮め進行防止するまでを治療目標とするべきです。
痛風は発作的に少数の関節が腫れて痛みを起こします。
発作は自然にも収まりますが痛風の場合は尿酸値を下げる治療を行っていくことが再発防止になります。
関節・筋肉への負荷で痛みが起こるのは変形性関節症、ぎっくり腰、テニス肘などです。
軟骨のすり減りや、筋肉の部分断裂、運動による関節の動かし過ぎで痛みを生じますから、時には安静にし関節を保護したり、姿勢を正しくするなどの注意が必要です。
軟骨のすり減りにより関節本来の動きがおかしくなっていたり、痛みが強い場合は整形外科的な手術が有効なこともあります。
体質的に冷え症の方は関節もこわばりやすいため漢方薬で体を温めたりお風呂で体をほぐしたりするのが有効でしょう。
神経が障害されて起きる痛みの原因は椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄などが多いです。
神経の分布に沿って、帯状に痛みを生じます。
安静や姿勢を正しても良くならない場合は神経痛用の内服薬や、神経の圧迫を解除するための手術を行うことがあります。
痛みシグナルが過敏になったものとしては線維筋痛症があります。
内服薬もありますがなかなかしっかりと痛みがとれないこともしばしばです。
気持ちの落ち込みは痛みの感じ方にも大きく影響するためリラックスするための軽い体操や気分の改善を図っていくことも大事です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
2023年1月3日 深谷進司