シェーグレン症候群のドライアイについて
(記事作成中:シェーグレン症候群の疾患概要、ドライマウスなどについては追記予定です)
花粉症・ドライアイ防止用メガネ
花粉症による結膜炎やドライアイの予防に役立つ眼鏡を紹介します。
私自身が気に入って使っている、JINSの「JINS PROTECT-SQUARE」です。
一見デザインは普通の眼鏡ですが、透明なフードがついており(下図の矢印)、かけている時に花粉が直接目に入るのを防ぎ、目の乾燥にもなります。
花粉は98%カット、飛沫は83%カットしてくれるそうです。
レンズなし(伊達眼鏡)5,500円、レンズ入り7,700円位と比較的安価です。
花粉症、ドライアイの眼鏡をお探しの方は、検討してみてはいかがでしょうか。
JINSの店舗はつくば周辺だと、つくば駅キュート、イーアス、土浦イオンにあります。
シェーグレン症候群のドライアイと点眼の方法
ドライアイの専門家に教えてもらった点眼の方法を紹介します。
点眼の順番:ジクアスとヒアレインの両方を使う場合
先にジクアス→後でヒアレインの方が理論上は良いと考えられています。ただしジクアスは痛みを感じる方がおられます。ドライアイの点眼の順番には厳密な規則がないため、ヒアレインを先に点眼してもよいです。
複数の点眼を行う場合、各点眼の間隔は最低5分あけましょう。
薬効成分とともに水分を1日に何度か補給できる方がよいので間隔をあけて点眼することを勧めます。夕方に症状が強い場合は、夕方に間隔をつめて回数を増やしてもよいです。
それぞれの点眼効果
ヒアレインは主に保湿、涙液の水層を補います。
ジクアスはムチンと水分の分泌を促進します。点眼直後の痛み、粘調な目やにが増加する方がいます。
ムコスタはムチンの分泌を促進し、粘膜を修復します。懸濁液のため視界が白く霞み、目元に液が白く付着し、苦みがあります。
ヒアレインは目に潤いを与えてくれて違和感も少なく使用感が良いですが、ジクアス、ムコスタは自分自身の涙液の分泌を改善してくれるため、積極的に使用しましょう。
先進治療の試みとして、BAFF抗体ベリムマブは、臨床試験で乾燥症状や倦怠感の改善が観察されています。シェーグレン症候群には保険未承認ですが、今後の研究の進展と臨床現場での実用化が期待されます。1)
リツキシマブ
CD40
アバタセプト
187人の患者で症状の改善があるか検討されましたが、唾液、涙液分泌量やESSDAIの改善は得られませんでした。2)
疾患活動性
「ESSDAI」という指標にそって点数をつけ、重症度を測ります。
厚生労働症の指定難病の認定にも用いられます。乾燥症状だけでは指定難病には認定されず、全身症状や臓器障害の有無などで評価されます。
参考文献
1) Ann Rheum Dis. 2015 Mar;74(3):526-31
30人のシェーグレン症候群患者にベリムマブ(ベンリスタ®)を24週まで投与し前向きに追跡した。
診断基準を満たし、抗SS-A抗体が陽性で、①~④のいずれかを満たす患者が試験に参加した
①全身症状がある、②唾液腺腫大がある、③発症後5年以内、④B細胞活性化のバイオマーカーが高い
ESSDAI は8.8から6.3に有意差あり)
乾燥VASは7.8から6.2に(有意差あり)
疲労VASは6.9から6.0に(有意差なし)
痛みVASは4.6から4.7に(有意差なし)
3) Ann Rheum Dis. 2021 Mar;80(3):339-348.