「TERRAFORMING」のCSPのクリア報告、ここまで出ないとは思ってもいませんでした。
PNMの譜面制作スタッフ全員が考えうる、StepManiaの独自機能を使わないというストロングスタイルな、いわゆる足譜面の最終到達点という目標を掲げた、今後この曲を超える譜面はPNMからは出ないと言っても過言ではない、ボス中のボス譜面ではあるのですが。
譜面制作者のCzQからは『IIDXで8段から9段を取得できるようなプレイヤーなら、スクロールをREVERSEにしてキーコンフィグを左から「ZXCV」にすると突破できるのでは?』とのことです。
ちなみに自分はLincle8段でしたが、このオプションやキーコンフィグでも再生速度等倍だと無理です。0.9倍速ならクリア安定ですが。
ただこのオプション設定はあくまでも「2本の足」≒「2本の指」でプレイしているわけではないので、言葉を恐れずに言うとクリアとは言えないと思います。
つまり指譜面に片足突っ込んでいるわけですね。
さて、このような前段から今回のコラムの話題はお察し頂けるかと思いますが、譜面難易度の設定についてです。
旧作、「DDR party nite MIX」時代は難易度設定を12段階としていまして、12段階の基準としましては「MAX300」のESPを11、「PARANOiA survivor MAX」のCSPを12とし、「RHYTHM AND POLICE」のような旧足9譜面の上位を10として難易度を考えていました。
つまりDDR EXTREMEの時代の足9と足10の譜面をより細分化した形で難易度設定をしていました。
そして【Re:VISION】以降は現在のDDRの難易度に合わせて「現時点では」19段階としています。
旧作だと「ESTABLISHED(白虎)」や「NOIZAWAKE」のCSPが当時のDDR EXTREME基準だと大幅に逸脱していますし、【Re:VISION】無印だと「uNBRiDLeD -G.H.O.S.T.-」のCSPが、明らかに19の壁を超えていますが、まあその辺りはそういうものだと思ってください。
難易度設定につきましては【Re:VISION】無印ですと、主宰であるUltraEchoが本家DDRの「Pluto Relinquish」や「PARANOiA HADES」、「IX」のような「頑張ればクリアできる」のが18(なお、UltraEchoにとっては「PARANOiA REVOLUTION」のCSPはこちら側です)、「ENDYMION」や「BREAKING THE FUTURE」のように「ちょっとこれは……」となるのが19としていました。
では【2nd Re:VISION】では、どのように譜面の難易度を決定していったのでしょうか?
まず譜面難易度の17ぐらいまではサクサクと決まります。
これは譜面の最高責任者であるCzQが実際にメタルパッドで踏んでみたり、UltraEchoやAsuka Sakurai、Kim./TKCといった旧作での譜面制作者がプレイしてみて「これは17だ」とか「これは16の上位だ」といった具合に決めていきました。
この辺りの難易度については極端に本家DDRとの難易度の乖離はないと思います。
では、本家DDRだと超越者の入門である18です。【2nd Re:VISION】ではここから下手したら本家DDRより同じ18でも、より難しく感じる譜面が出てきます。
これについてはまず、前述のとおり「Pluto Relinquish」や「PARANOiA HADES」のCSPのようなSN期のラスボス級の譜面、あるいは「Come to Life」のCSPといった近代DDRの難易度18の譜面を考慮し、そしてその上で譜面を制作したスタッフがそれぞれ持っている、DDRの最高難易度である「19」というのはこういうものだ、という概念から逆算しました。
つまり「ボスには一歩及ばないが、かなり難しい」という譜面を18としました。
譜面制作者が持つ「ボス曲」あるいは「ボス譜面」という幻想に至っていない、準ボスらしい譜面が18です。
なので「Come to Life」や「Cosy Catastrophe」などのCSPを、クリアだけならアラフォーになった現在でも問題ないCzQが作ると大惨事になります。
例えば【2nd Re:VISION】の体験版では「Utopiangela -Lutie's Christmas Cartoon Remix-」が19でしたが、配布版では18に格下げとなっています。
これはCzQから「最後の8分での同時ラッシュ、フリーズの『OK』判定が画面に残るのがキツい以外は弱い18」というジャッジが下されたためです。
実際にプレイしてみると弱い部分は確かに弱いのですが、転調してからのラッシュはどう考えても18でやっていい難易度を超えている……と自分は思っています。
逆に18を想定していたものの超高速の、DDR用語での「遠心分離器」っぷりに難易度を格上げしなければならない「宇宙怪獣ガバドン」なんかもあります。
あるいは19でもいいものの、頑なに「いやこの曲は18だ」と言い張った「MEGA MELODY@PARTY NITE」とかいう曲も。
……つまり18と19の難易度の差に関しては「ノリと勢い」です。19と言い張れば19になります。
アラフォーになってもPNMの面々の精神性は変わりありません。
ノリと勢いで生きています。
ただそれでもgroup.iniで指定した「sunny my princess」以降の楽曲――「初恋ハートメルト」「TOTAL ECLIPSE」「MASS FOR THE DEAD」「TERRAFORMING」「MEMOIR」「暁-DAYBREAK-光」は一線を画する19――ボス曲です。
これは先に述べた「19」という概念に従ったもの――と言いたいのですが、「TERRAFORMING」だけは違います。
この曲はESPが19、CSPも19という意味不明な難易度です。
ESPでもすでに難しいです。だいたい「uNBRiDLeD -G.H.O.S.T.-」と「ZVI」のCSPの中間ぐらいの難易度がこの曲のESPでしょうか。
この速さで同時4分を異方向で踏ませるのはきっと何かの法律違反だと思います。
ですがまだ上があります。CSPです。
これは「最初から最後までずっと難しい」というのが、譜面制作の総責任者であるCzQが最終的に出した譜面のコンセプトなのですが、一応これでもところどころ手加減していますが、正攻法だとリリースから2週間経過した、このコラムを書いている現在でもクリア報告が上がっていないほどの、StepManiaの象徴である「Z」という曲、そしてその遺伝子を受け継いだ史上最凶の曲、DDRとしてできる範囲の最終到達点のひとつと言っても過言ではない……と思っています。
つまり何が言いたいのかといいますと……
APPEND REMIX 2で難易度修正が行われます。
2025.04.28 / UltraEcho a.k.a. funny drunker