2020年度ゼミナール紹介

齊藤ゼミ紹介(4年次専門ゼミ) ~ プログラミング ~

本ゼミナールの目標は社会人基礎力の養成です.ここで想定する社会人基礎力とは,問題に直面した際,その問題がどのようなものであるかを分析して解決策を見つけること,そしてその解決策を周囲にしっかりと伝える能力を指します.分析を行ったり解決策を導いたりするには,問題の背景にある事実関係の把握と,それをもとにした論理的思考が求められます.また導出した解決策を周囲の人々に理解してもらうには,ものごとをわかり易く表現する技術が必要となります.本ゼミナールでは問題解決に必要となる「知識」・「論理的思考」・「表現」を「財務諸表分析」・「プログラミング」・「文章作成」という3つの題材を通じて学ぶ機会を提供しています.

また学期末に行われる発表会(プレゼンテーション)を通じて,学んだことを実際に使いながら,現実の経済や社会を分析することも体験してもらっています.下記はオリジナルのプログラム作りに関するプレゼンテーションの模様,および参加学生の声です.

プレゼンテーションの模様

ゼミナール参加学生の声

Q1:卒業作品(オリジナルのプログラム)に取り組むことで,どのような感想を持たれましたか? 

A1:学生①

私はプログラミングからたくさんのことを学びました.まずプログラミングは大変だということです.コンピューターは命令通りに動いてしまいます.そのため少しでも指示を間違えると,想定とは違う動きをしてしまいます.単純だからと安易に考え,コード入力を侮ってはいけないと思いました.また一つの方法で解決しないことでも,別のアプローチで問題を突破できることもプログラミングは教えてくれました.私は一つのやり方にこだわりを持ってしまう傾向が強いため,プログラムが上手く作動しないとき,何がいけなかったのかをひたすら考えてしまいます.その結果,その部分に時間を多く割いてしまい,作業が滞ったことが度々ありました.しかし,そこから少し考え方ややり方を変えるだけでプログラムが動いてくれることもあり,自分からもっとこうしてみようと再びやる気を持って取り組むことができました.こういった経験を生かし,この先もプログラミングを学び続けようと思います

学生②

このゼミでプログラミングを勉強して,試行錯誤しながら自ら新しいものを作る楽しさを体験することができました.また,完成に向けて何から作るべきかという計画の大切さも学ぶことができました.当初はweb上で動くプログラミングソフトである「スクラッチ」を模倣したものを作ろうと思っていました.しかし,どのくらいのレベルを完成形にするか考えずに作り始めてしまったため,モチベーションが上がらず,何から手を付ければいいのか分からなくなってしまいました.いろいろと考えた結果,過去にこのゼミで作られたプログラムからイメージを膨らませて,オリジナルのプログラムを作り上げました.何度も試行錯誤し,時間を空けて自分のプログラムを見直すと,より読みやすく,より分かりやすい書き方があるなと気づくことも多かったです.何度も見直し,より良くなっていく過程はとても楽しかったです.ここで学べた計画性やプログラミングの楽しさを無駄にせず,今後もより自身の力になるように勉強しようと思います.大学4年間の最後の授業で貴重な体験ができてとても楽しかったです.

Q2:取り組んだ卒業作品(オリジナルプログラム)はどのようなものですか? 

A2:学生①

私が作ったプログラムはチャットボットです.チャットボットはAIと異なり,質問に対し予め返答を用意しておけば,入力に合わせた言葉を返してくれる「自動会話プログラム」のことです.社会生活では既にお客様相談窓口などで活用されています.初めはAIや人工知能に取り組もうとしましたが,人工知能を作るのに必要な環境が整えられず今回は断念しました.チャットボットはAIと異なり学習の必要がなく,対応する言葉を事前に用意しておけば動作してくれるので,AIほど多くの工程を必要とせず簡単に作ることができました.しかし,対応する言葉を用意するのには時間を要してしまいました.このため,プログラミング自体よりも,その準備に割く時間が余計にかかってしまいました.

 学生②

私が作ったプログラムは時計です.単に時刻を表示するだけではなく,いかに使用者自身でアレンジできるかに重点を置いて作りました.具体的には,時計を様々な色に変えられるようにしました.また時計の形や針の太さの変更,さらには文字も2種類用意するなど,全体で500通り近い組み合わせができるようにしました.一番力を入れたのは時報の機能です.1時間ごとにショーウィンドウで何時か教えてくれるものですが,この機能だけで変数を4つも使いました.また,ちょっとした開発者の隠しメッセージも入れてみました.プログラムを入手できた方は,是非,自分の思うように時計をアレンジしてみてください.