国際経済学科 海外留学座談会(イギリス、アメリカへの語学留学)

座談会参加者

岩崎星織(経済学部国際経済学科)

會澤一平(経済学部国際経済学科)

聞き手:川野祐司(国際経済学科准教授)

 ◆ 留学のきっかけ

川野「海外留学座談会に参加していただきありがとうございます.まずは留学先を教えてください.」

岩崎「イギリスのヨークです.イギリスは4地域に分かれていますが,ヨークはイングランドの北の方にあります.」

會澤「アメリカのモンタナ大学に行っていました.」

 川野「留学したきっかけは?」

會澤「留学にはもともと興味がありました.長期間の海外経験は学生時代にしかできないと思い,応募しました.特にアメリカが第一希望というわけではありませんでしたが,しっかりとした英語力をつけたいと考えてモンタナ大学を選びました.」

岩崎「母がイギリス留学の経験があり,イギリスへの留学を勧められていました.英語はあまり好きではなかったのですが,東洋大学で英語の先生とお話をしているうちに留学したいという気持ちが出てきました.また,学費免除の制度が利用できることもイギリスを選んだ理由の一つです.」 

◆ 英語での生活

川野「留学先での生活はどうでしたか?」

會澤「留学当初,英語力が足りないと感じ,現地の語学学校でTOEFLの勉強もしました.現地でのコミュニケーションにも苦労し,2ヶ月くらいは苦戦続きでした.」

岩崎「留学を楽しむつもりで旅立ったのですが,現地に行ってみるとコミュニケーションがなかなかとれずにストレスを感じました.日本での勉強だけでは不十分だということが分かりました.また,日本とイギリスとの文化の違いにも苦労しました.」

岩崎「ゆっくり話せば通じますが,それでは不十分だと思い,現地のスピードに慣れる訓練をしました.最終的には,授業でもマスメディアなどをテーマにしたディスカッションにも参加できるようになりました.」

會澤「ある日突然ブレイクスルーするという感じはありませんでしたが,日々着実に成長できたと思います.」 

川野「現地の学生はどうでしたか? 日本の学生との違いを感じましたか?」

會澤「そうですね,現地の学生たちに感じたのは主体性です.とても大人に感じました.それは,彼らはしっかりと目標を持っていて,それに向かって進んでいすように見えたからです.なんとなく大学に行ってなんとなく授業に出て・・・というのとは違って見えました.」

岩崎「自己主張の強さを感じました.先生が正解を言ったらそれをただ暗記するという勉強法とは異なり,自分で答えを考え,納得がいくまで考え抜く姿勢に驚きました.たとえ先生に間違っていると指摘されても,自分が正しいと信じたことを簡単に放棄せず,逆に先生に詰め寄っていく場面にも出会いました.」

會澤「現地の学生から政治や歴史についてかなり突っ込んだ質問をされて困ったことがあります.なんとなく分かっていてなんとなく答える,というのが通用しない感じです.少なくとも自分の専門分野についてはしっかり知っておく必要があると感じました.」 

◆ 留学先の街並みと現地での交流

川野「留学先の環境はどうでしたか?」

岩崎「私が滞在した地域は観光地だったので,中世風の美しい街並みやたくさんのお店など,散歩するだけでも楽しい所でした.」 

會澤「自然が豊かなところでした.冬にはマイナス20度くらいまで気温が下がることもありました.雪はあまり降りませんが,とても寒いです.また,鹿,スカンク,リスなど野生動物もよく見ました.特に観光施設などはないようでしたが,自然の中でのスポーツを楽しめるところです.また,友人も多くできたので,生活はどんどん楽しくなっていきました.」

岩崎「イギリスは食事がいまいちだと聞いていましたが,私は美味しくいただきました.ミートパイやフィッシュパイなど,ホストファミリーのお母さんが作ってくれた料理が美味しかったです.」

會澤「田舎だということもあると思いますが,車の所有率が高く,一人一台という感じでした.」

岩崎「留学前は全然知らなかったのですが,ハロウィーンの後にボンファイア・ナイト(11月5日に行われるガイ・フォークス・デイとも呼ばれるお祭りのこと.1605年の火薬陰謀事件に由来し,ヨーク生まれのガイ・フォークスを模した人形をかがり火で焼いたり花火を楽しんだりする.)というお祭りがあり,ハロウィーンよりも盛り上がっていました.どの家でも打ち上げ花火を上げていました.」 

◆ 留学の経験を活かし

川野「留学を経験して,自分は変わったと感じたことがありますか?」

岩崎「小さなことですが,困っている外国人に声をかけるようになりました.留学で積極性が身に付いたのかもしれませんし,英語の面での心配がなくなって自信がついたのかもしれません.」

會澤「帰国後の語学の試験を受けましたが,より良いスコアが取れて自信がつきました.もっといいスコアを取りたいという向上心も高まったと思います.」

岩崎「将来は金融業界に就職したいと思っていますが,海外と関わる仕事がしたいと思っています.金融は動きが早く,いろいろなことを常に勉強し続けなければならないと感じていますが,就職後も勉強を続ける環境に身を置きたいと考えるようになったのも,留学先で現地の学生たちを見てきたからだと思います.」

會澤「今のところは海外で働くことをあまり考えていませんが,海外勤務や出張はどんどん引き受けたいです!」

川野「最後に,高校生のみなさんや留学を考えている人へ,一言お願いします.」

岩崎「留学といえば,語学を学びたいと最初に考えるのではないかと思いますが,現地の文化や社会に触れることで日本のことを強く意識するようになってきます.それは視野を広げることに繋がると思います.留学ではいいことだけではなく,苦しいことや不快な思いをすることもあるかもしれませんが,それらを克服していく過程が大切だと感じました.そんなポジティブ面やネガティブ面も含めて楽しむことが留学の醍醐味だと思います.」

會澤「留学で英語能力が上がるのはもちろんですが,家族と離れて一人で生活を営んでいく必要があるので,その面での成長もあります.自分と対話して自分を見つめなおす時間もたくさんありました.」

岩崎「いろいろ考える前にまずは行ってみてください,といいたいです.」

川野「今日は楽しいお話をありがとうございました.」