国際経済学科 海外研修座談会

研修参加者

島彩和乃(国際経済学科3年)

加藤凌太(国際経済学科2年)

木村勇太(国際経済学科2年)

聞き手:守田貴弘(経済学部国際経済学科講師) 

◆海外研修に参加したきっかけ

守田「今日は海外研修座談会に参加していただきありがとうございます.早速ですが,みなさんは研修でどこに行きましたか?」

島「アメリカ研修に参加しました.バークレーとシリコンバレーに行きました.」

木村「欧州に参加しました.ドイツのマールブルクとフランスのストラスブール,パリに行きました.」

加藤「中国研修に参加しました.授業だけでなく,様々な見学プログラムもありました.」 

守田「研修に参加したきっかけを教えてください」

島「単なるアメリカ旅行では満足できず,大学の授業に参加したりシリコンバレーに行けたりすることです.バークレーという響きにも惹かれました.研修に参加すると修了書がもらえるのも魅力でした.」

守田「勉強もできる研修が単なる観光よりも有意義だろうと.」

島「はじめはそんな感じでした.」

木村「今まで海外に行ったことがなかったので,まずは一度行ってみたいという気持ちがありました.その中でどこかと考えて,一番好きなフランスに行ける研修を選びました.」

加藤「僕も海外は今回が初めてでした.第二外国語で中国語を選択して中国語の面白さを感じていましたが,せっかくだから中国研修に行こうと思ったんです.実際に現地に行って,人々や風景を生で見て何か感じるところがあったらいいなと思いました.」 

◆日本と違う現地の様子◆ 

守田「研修に参加して日本と違うところはありましたか?」

加藤「思ったことは『百聞は一見にしかず』です.ニュースなどでは,中国は『反日』のイメージがありました.日本人を見るといろいろ言われるのではないかと思っていましたが,実際に行ってみると地元の人たちは日本人にも優しいんだと感じました.買い物のときにも『日本人なの? じゃあこれもおまけしてあげるよ.』と言われてニュースとは違うんだなと感じました.」

島「アメリカの印象は,ヨーロッパと違ってカラフルです! 青い空とか自然の風景もよかったですが,シリコンバレーの雰囲気も印象に残っています.」

守田「どんなところが印象に残りましたか?」

島「有名な企業が並んでいるところもよかったのですが,中小企業のスタートアップに利用されているオフィスがとても開放的で,遊ぶ場所まであったのが驚きです.事前研究でシリコンバレーについて学んでいたのですが,自分の目で見るとまた印象が違います.」 

木村「ヨーロッパの街並みが印象に残っています.写真はマールブルクの街並みですが,中世風の建物が残っていて,『ヨーロッパにいるんだ』と実感しました.ストラスブールの街並みもよくて,これを見ただけでも来てよかったなと感じました」

島「欧州研修に行く人はみんな食費が高いって言うんですけど,実際はどうでしたか?」

守田「欧州研修の参加者は,量が多くて苦しい,とよく言っていますね.」

木村「はい確かに.でも,個人的には現地の料理は全て美味しいと思いました.パリではSUBWAYにばかり行っていたので,食事代はあまりからなかったですね.」

守田「もっといろいろ試してみればよかったのに.」

木村「はじめはグループのみんなで話し合っていたんですけど,意見まとまらなかったので,SUBWAYでいいかと.なにしろ安いし.アメリカの料理はどうでしたか?」

島「みんな胃もたれしていました.脂や味が濃すぎたみたいで,特に甘さは日本と全然違います.私は甘いものも大丈夫でしたが,友人はダメでした.帰国してすぐに蕎麦を食べに行ったのは秘密ですけど! 中国は美味しそうなイメージがあります.」

加藤「いろいろ美味しかったです.例えば,肉まんは日本と全然味が違いました.香辛料が違うみたいです.しかもとても安かったですね.肉まんは一個5円くらいで,デザートも10円以下でした.」

一同「それは安い!」

◆言葉の壁,現地での交流

守田「食べ物の話は盛り上がりますが,ちょっと視点を変えて.皆さんは現地の言葉をうまく使えましたか?」

加藤「買い物で『袋をください』はよく使いました.中国のスーパーは言わないと袋をくれないんです.」 

加藤「プログラムの中で中国人大学生との交流会があるのですが,これもちょっと不安でした.中国語のコミュニケーションには自信がなかったので.でも実際には,日本語を専攻している学生に集まってもらっていたので,中国語と日本語を混ぜて使え,会話がスムーズに進んでとても楽しかったです.同年代の人との交流だったのがよかったと思います.交流会の後は,地元の有名な穴場を教えてもらって一緒に食事をしました.」

守田「現地の人との生の交流はいいですね.」

加藤「本当にいい経験になりました.」

守田「木村君はドイツ語やフランス語を使いましたか?」

木村「フランスではレストランでメニューを指差して,『これをください』みたいな感じです.使ったのは『ありがとう』のような基本的な用語だけでした.いつも英語ばかり使っていました.」

木村「ドイツとフランスでも交流会がありました.フランスでは現地の学生が漫画や日本語について発表したのですが,彼らがとても詳しかったので驚きました.事前研修の段階では,どんな話をすればいいのか悩んでいましたが,共通の話題があって楽しく話せました.同年代の学生同士なので,言語の壁は関係なく楽しく話せるんだなと気づきました.」

島「私は英語だったので大丈夫かなと思ったのですが,ただ聞くだけではダメで,授業ではたくさん質問する必要がある,というのが大変でした.話すスピードが速すぎて,ついていこうと集中してちょっと疲れました.」

島「有名なタワー(トランスアメリカピラミッド)がサンフランシスコにあるんですが,現地の人に道を聞いてもうまく通じずに困りました.そういうときには『はぁ・・・』となります.」 

守田「言いたいことがうまく通じなくて『はぁ・・・』っていうのを何回も繰り返していくうちに,だんだん通じるようになるのが語学ですね.僕もそういう体験を経てきています.ダメでもあきらめずに繰り返すことが上達への近道ですよ.」
島「これからもめげずにどんどん話しかけます!」

◆研修への参加で成長したこと

守田「海外研修に参加して,大学生活や勉強に向かう姿勢などに影響がありましたか? 感じたことや自分が変わったなと思うことがあったら教えてください.」 

島「英語のことと経済のこと2つあります.日本人って日本人同士で話すときに恥ずかしがって日本語っぽい発音をしますよね.それが現地の人に通じない原因でした.今は特に,外国人と話すときは気をつけるようになりました.経済の面では,シリコンバレーに行ったということで,金融とITの融合とかのアメリカのニュースに注目するようになりました.国際経済学科で学ぶいろいろな経済の科目も関連しているなって,思うようにもなると勉強が楽しくなって,結構頑張れました.」

守田「木村君は僕のフランス語の授業での取り組み方が変わってきたかなと感じたけど,どうですか?」

木村「フランスで感じたのですが,フランス人は自分たち同士ではフランス語で話していますが,僕たちが加わると英語に切り替えて,日本語の単語も使ってくれます.この切り替えの能力がすごいと思いました.コミュニケーションは英語だけとかフランス語だけとかではなくて,トータルな能力なんだと思いました.まずはフランス語を勉強しつつ,英語も磨いていっています.また,ドイツやフランスの経済ニュースも気になるようになりました.」 

加藤「やっぱり中国語のことが一番ですね.大学で勉強してそれなりに使えると思っていたら,全然通じない.日本語が分かる中国人学生に日本語で説明しても通じない.こっちの方がショックでしたけど.それで感じたのが,ある一つのことを表現する方法はたくさんあるということ,そして,一つの表現を覚えるだけではダメで,ケースバイケースで使い分けることが大切なんだということです.テキストで勉強するだけではなくて,いろいろな人の話を聞くことも大切だと思いました.今回の研修でも,通じない場面では日本へ留学経験のある学生が助けてくれましたが,『なるほど,こういう説明の仕方があるのか』と感心し通しでした.」

守田「外国に行くと言葉のことが気になるみたいですね.特に,現地の学生との差を感じているみたいですね.」

加藤「同年代なのに差があるのは悔しいです.これから勉強して追いつきたいですね.」

島「追いついたらその後は追い越したいです!」

一同「うんうん.」 

◆後輩へのメッセージ

守田「みなさん,それぞれの研修経験者としてメッセージはありますか? 研修を後輩たちに薦めてあげてください.」
加藤「研修で中国に行けば中国のイメージが変わります.言葉で説明してもなかなか伝わらないかもしれませんが,参加するかどうか迷ったなら絶対に行ったほうがいいと思います.」
島「ただの旅行と違って現地でいろいろ学べて友達もできるところがいいと思います.観光の時間もありますし.シリコンバレー訪問などは個人旅行では難しいので,一石何鳥もあるようなプログラムがおススメだと思います.」
木村「勉強ももちろんですが,景色を見るだけでも価値があると思います.本やネットでみるのと,現地に行って空気を感じるのは全然違います.現地の学生と交流できるので,彼らと友達にもなれますし,いろいろ刺激を受けられます.」
加藤「参加費がちょっと高いと思うかもしれませんが,普通の旅行と違うプログラムがあり,プライスレスです! 長期休暇中に集中してアルバイトしてお金を貯める方法もありますし,卒業までには一度は参加してほしいです.」
木村「機会があったら,他の研修にも参加してみたいですね.一度参加すると,もっとほかの国のことも知りたい! という気持ちになります.」
守田「国際経済学科には,中国経済論,アジア経済論,アメリカ経済論,ヨーロッパ経済論が設置されており,それぞれの地域のエキスパートの先生が最新の経済を講義しています.これらの講義科目と海外研修を組み合わせるのもおススメです.」
島「確かに,事前に準備するのとしないのでは,現地での吸収度が全然違うと思います.」
木村「研修参加後に,専門の先生に質問するのもよさそうですね.」

 今日は貴重なお話をありがとうございました.最後にみなさんで一枚.