総合政策学科長メッセージ

東洋大学経済学部 総合政策学科長 井上 武史
Takeshi Inoue

経済学の視点から「総合政策」を学ぶこと

経済学はさまざまな分野に分かれており、基礎的な理論や歴史、各国や地域の経済情勢など、学ぶことがたくさんあります。そのなかで、総合政策学科の特徴は「社会が直面する多様な問題を解決する」ということを大きな目標を掲げ、そのために必要なツールとして経済学を活かすことにあります。 

例えば、地球規模で進んでいる温暖化などの環境問題、国内で加速している人口減少という現実の課題に対して、経済学の切り口から背景や構造を捉えたり、解決策を提示したりすることが、総合政策学科で取り組めるテーマとなります。もちろん、こうしたスケールの大きな課題だけでなく、規模の小さな地域に特有の課題も対象です。

そして、総合政策学科のもう1つの特徴は、「実践重視」であることです。課題を解決するためには、解決策を示すだけでなく、それを実践に移すことが不可欠です。しかし、地球環境問題でも国や時代によって解決へのアプローチは異なってきますし、人口減少対策も地域ごとに方法は違うものになるでしょう。そこで、解決策を「誰が」「いつまでに」「どのように」行うのか、そのために「必要な負担をどうするか」など、自ら実践することも想定した具体的な内容として提示しています。

そのためには、経済学の理論を活かすだけでなく、現実社会の複雑な構造を知り、それを分析して解きほぐすなど、多くのプロセスが必要になります。そこで、教室で学ぶだけでなく、企業や行政機関などを訪問して現地調査を行い、教員や学生間で議論するなど、さまざまなメニューを用意しています。さらに、その成果は学生の学会発表や政策コンテストの参加、学内で開催される「政策提言」など、さまざまな形で発信しています。このように、総合政策学科では①発見・着眼力②情報・知識力③分析・考察力④提言・実践力⑤異文化対応力という幅広い力を身につけることができます。

総合政策学科には、さまざまな分野に精通した教員が、皆さんの学びを丁寧にサポートします。総合政策学科で、社会が直面するさまざまな課題に向き合い、大きなビジョンを持って、社会に貢献する人材として成長していただきたいと考えております。