シンポジウム

宗教者災害支援連絡会3周年記念シンポジウム「宗教と災害支援―3.11以後と今後―」

日時:2014年4月6日(日)13:00〜17:30

会場:梅窓院祖師堂(東京都港区南青山2-26-38)

2011年3月11日の東日本大地震は、地震、津波、原発事故による甚大な被害を引き起こした。恐るべき、またたいへん悲しい災害だったが、犠牲となった方々の慰霊や被災者の支援・ケアにおいて、宗教団体や宗教者の取り組みが大いに注目された。中でも宗教・宗派の枠を超えた支援活動を行うことによって、人びととの接点が得やすく支援活動に新たな可能性が開けることも見えて来た。

だが、宗教団体や宗教者の支援・ケア活動の活性化は、東日本大震災を機に急に起こってきたわけではない。1990年代のバブル崩壊後の日本では、「無縁社会」と言われるように、孤立して生きづらくなる人々が増えていった。それとともに、貧困や自死、差別等に苦しむ人々に寄り添ったり、信仰を媒介とせずに、人びとの触れ合う場を積極的に生み出そうとする、宗教者・宗教団体の活動が広がり始めていた。

宗教者災害支援連絡会は東日本大震災を機に結成されたが、東日本大震災から3年を過ぎ、以上のような経緯を省みながら、あらためて今後の宗教者・宗教団体による支援・ケア活動のあり方について考えてみたい。「無縁社会」的な状況も、多くの被災者を生む災害等が頻発しそうな状況も後退していく気配は見えない。一方、宗教団体や宗教者が社会の苦悩に寄り添って活動の場を広げていく傾向も継続していきそうだ。

このシンポジウムでは、以上のような展望の下、東日本大震災での活動を省みながら、宗教者・宗教団体による災害支援活動や、苦の中にある人々へのケアの活動が今後、どのような方向に向かっていこうとするのかについて広く考えていきたい。

プログラム

第1部

開会の辞 島薗進(宗援連代表、東京大学名誉教授、上智大学特任教授)

基調講演「東日本大震災における連携」

湯浅 誠(社会活動家、法政大学教授、元内閣官房震災ボランティア連携室長)

活動報告

「宗援連の歩み」黒崎浩行(宗援連世話人、國學院大學准教授)

「大災害へのそなえ」稲場圭信(宗援連世話人、大阪大学大学院准教授)[レジュメ(PDF)]

第2部

パネルディスカッション「宗教と災害支援・ケア活動」

パネル司会 蓑輪顕量(宗援連世話人、東京大学大学院教授)

パネリスト

高橋一世(気仙沼市浄念寺・住職)

白鳥孝太(シャンティ国際ボランティア会気仙沼事務所・代表)

篠原祥哲(世界宗教者平和会議仙台事務所・所長)

神田 裕(カトリック司祭、NPO法人たかとりコミュニティセンター代表)

湯浅 誠

島薗 進

まとめ 鎌田東二(京都大学こころの未来研究センター教授)

閉会の辞 宍野史生(宗援連世話人、神道扶桑教・管長)

シンポジウム「災害支援と「無縁社会」―東日本大震災から4年、宗教の働きと力―」

日時:2015年4月4日(土)13:00-17:00

会場:東京大学本郷キャンパス法文2号館2階文学部1番大教室(地下鉄本郷三丁目駅徒歩15分)

パネリスト

吉田律子氏(サンガ岩手、真宗大谷派)

「被災地の今―いのちのすがた―」

吉田俊雄氏(NPO法人カリタス釜石監事、小さな森東京代表)

「キリストさんからカリタスさんへ」

尾角光美氏(一般社団法人リヴオン代表)

「グリーフサポートが当たり前にある社会を築く」

渡辺順一氏(支縁のまちネットワーク共同代表・金光教羽曳野教会長)

「宗教を『痛み』の側に開く」

コメンテータ

鍋島直樹氏(龍谷大学教授)

竹島正氏(国立精神神経センター・自殺予防総合対策センター)

司会

蓑輪顕量氏(東京大学)、黒崎浩行氏(國學院大學)

[コメント・リプライ・質疑応答録]

5周年シンポジウム「宗教者の実践とその協働」

日時 2016年6月19日(日)14:00-17:40

会場 東京大学情報学環・福武ホール ラーニングシアター(東京都文京区本郷7-3-1 東京大学本郷キャンパス内)

地下鉄本郷三丁目駅から徒歩8分

趣旨説明

蓑輪顕量氏(東京大学)

報告

金田諦應氏(通大寺住職)「東日本大震災から熊本地震へ―傾聴移動喫茶「カフェ・デ・モンク」の歩み―」[要旨]

栗田暢之氏(東日本大震災支援全国ネットワーク(JCN)代表世話人、NPO法人レスキューストックヤード代表理事)「災害支援における市民活動と宗教者・宗教団体との連携に向けて」[要旨]

新倉典生氏(東京都仏教連合会事務局長)「東京都仏教連合会の防災備災の取り組み」[要旨]

熊本地震報告

西川勢二氏(真如苑・SeRV)

篠原祥哲氏(世界宗教者平和会議(WCRP)日本委員会)

稲場圭信氏(大阪大学)

黒崎浩行氏(國學院大學)

御手洗隆明氏(真宗大谷派)

自由討議

司会 稲場圭信氏(大阪大学)

コメンテーター 島薗進氏(上智大学)

宗教者災害支援連絡会7周年シンポジウム「熊本地震と宗教者-それぞれのむき合い方」

趣旨

2016年4月に発生した熊本地震から2年が経ちました。被災地では建物、道路、住居などの復旧が徐々に進みつつありますが、震災からの復興は依然として厳しい状況が続いています。今も多くの被災者は不安、不眠、食欲不振などの災害のストレスを抱えています。長引く避難生活によって震災関連死は200名を超え、その内17名は自ら命を絶ちました。熊本地震は未だに継続していると言えましょう。

しかし、厳しい現状に対して、熊本地震への全国的な風化が進み、被災者への支援団体やボランティアの数は減少の一途を辿っており、支援体制の弱体化が懸念されております。

このような状況の中で、宗教者、宗教団体、諸宗教の連合体は様々な震災対応に取り組んでいます。傾聴活動、災害ボランティア、地域包括ケア、そして自ら被災しながらも周囲を癒し、励ます行動など宗教が持つ特徴を活かし、地道な取り組みが展開されています。

この度のシンポジウムでは、熊本地震への関心が薄れる中、改めて熊本地震の被害を直視し、今、必要な活動と宗教者が果たすべき役割、さらには、将来の災害への備えについて学び合いたいと思います。

主催

上智大学グリーフケア研究所、宗教者災害支援連絡会

日時

2018(平成30)年5月2日(水)14:00~17:00

場所

上智大学四谷キャンパス 図書館9階L-921

プログラム(敬称略)[議事録(PDF)]

挨拶:島薗進(上智大学グリーフケア研究所所長・宗教者災害支援連絡会代表)

パネルディスカッション「熊本地震と宗教者-それぞれのむき合い方」

報告者:

立野泰博(日本福音ルーテル大江教会牧師・九州臨床宗教師会スーパーバイザー)「平時が非常時の鏡~現場の苦悩に寄り添う宗教者・被災者として~」

矢野道代(金光教木山教会在籍教師)「被災した教会の楽しい隠れ家カフェ~ようこそ第2キッチンへ~」

糸山公照(真宗大谷派熊本教区光照寺副住職)「宗教者と社会福祉協議会と市民の連携~熊本県宇城市の事例~」

力久道臣(善隣教教主)「諸宗教連携による震災対応~新宗連とWCRPの連携ボランティア“VOWS”の取り組みから見えてきたこと~」

コーディネーター:

稲場圭信(宗教者災害支援連絡会世話人、大阪大学大学院人間科学研究科教授)

閉会挨拶:宍野史生(宗教者災害支援連絡会世話人、神道扶桑教管長)

シンポジウム「地域社会と宗教者―グリーフケアと災害・防災」

日時

2019(平成31)年2月23日(土)15:00~18:30

場所

上智大学6号館410教室

主旨

都市社会での地域ケアの今後を考える上で、東日本大震災における公私連携のあり方が大いに参考になる。東日本大震災では地域社会でのグリーフケアが大きな課題となった。災害から日が経つにつれ、現地での災害支援の機会は少なくなっていくが、かわって日常生活のなかでのグリーフケアやこれからやってくる災害に備えた防災活動が課題として自覚されてくる。このシンポジウムではとくにそこでの宗教者の役割に注目する。公私連携においても宗教者が重要な役割を果たすことが少なくないからだ。阪神・淡路大震災から24年、東日本大震災から9年、熊本地震から3年、西日本豪雨から1年、その他にもさまざまな災害があった。「地域社会でのグリーフケアと災害・防災」にどう応えていくか。宗教者の観点から考えていきたい。

発題

司会

島薗進(上智大学グリーフケア研究所長・RISTEX川崎プロジェクト代表)

主催

JST/RISTEX(都市における援助希求の多様性に対応する公私連携ケアモデルの研究開発)、上智大学グリーフケア研究所、宗教者災害支援連絡会

設立10周年記念シンポジウム「東日本大震災と宗教者の支援活動の新たな地平」

主催

宗教者災害支援連絡会

共催

「宗教と社会貢献」研究会

後援

日本宗教連盟

主旨

東日本大震災から10年が経過しました。宗教者災害支援連絡会は2011年4月1日に設立され、宗教者、宗教研究者らが協力しながら、東日本大震災・福島原発災害の支援活動の充実のための情報交換に努めてきました。被災者の苦悩や悲嘆はなお続いており、なおも支援活動は求められています。発足10年を記念するこのシンポジウム では、そうした被災者の状況を思いやりつつ、この10年の東日本大震災・福島原発災害の支援活動を振り返り、被災者と支援者の新たな関わりのあり方を考えていきたいと思います。また、その後に発生した熊本地震(2016年)、西日本豪雨(2018年)などの宗教者・宗教団体の災害支援の情報交換についても視野に入れながら、宗教者・宗教団体と行政や宗教以外のさまざまな支援者との連携や、防災活動の前進についても考えていきたいと思います。

日時

2021(令和3)年4月1日(木)17:00〜20:00

開催形態

オンライン(Zoom)

プログラム [レジュメ集・議事録(PDF)]

12周年シンポジウム「宗教者による災害支援の振り返りと展望―東日本大震災からコロナ禍・気候変動災害まで―」

主旨

2023年3月11日で東日本大震災から12年が経過しました。関連死を含め、2万人を超える方々が亡くなった災害の痛みは、今もすっかり癒えるには至っていません。大切な人々を失った方々の悲しみは深く、福島原発災害による避難者の苦難は今も続いています。

震災発生の直後から、宗教者は被災者支援に取り組んできました。宗教者災害支援連絡会は、そうした宗教者による支援活動の相互の情報交換や、より効果的な支援のあり方を求めて、2011年4月1日に発足しました。以来、今日に至るまで、国内の広範囲の宗教団体や宗教者、そして行政や研究者や報道関係者の、災害支援や防災に関わる情報交換と相互啓発の場として活動を続けてきました。

2015年の第3回国連防災世界会議パブリック・フォーラム「防災と宗教」シンポジウムにも加わりましたが、これを機会に「防災と宗教」行動指針・策定委員会が2016年3月11日には、以下の「防災と宗教」クレドが定められました。

その後、2016年の熊本地震、2018年の西日本豪雨災害、2020年初め以来のコロナ禍など多くの災害が起こりましたが、そうした災害に対する支援の取り組みも続けられてきています。世界的にも気候変動の影響で災害が頻発しており、地震が多いわが国ではますます防災や災害支援の取り組みの重要性が増しています。また、災害支援活動は公共空間における宗教の活動として、その重要性が増してきてもいます。そして、平常時の地域における宗教者による福祉活動等の活性化も生じています。

そこで、このシンポジウムでは、さまざまな宗教者や宗教団体関係者にご登壇いただき、「宗教者による災害支援の振り返りと展望」をテーマに話し合います。この間の個々の支援活動の動きについて顧みるとともに、宗援連の12年を振り返り、さらに今後の災害支援・防災に向けての展望にも触れることができればよいと願っています。

会場での対面参加を歓迎しますが、遠方の方々や時間のご都合のある方などのためにオンラインの参加も可能な形態で行います。

日時:2023(令和5)年4月1日(土)14:00-17:30

会場:「扶桑教」本部「富士山太祠」東京都世田谷区松原1丁目7-20

形式:対面とオンライン(Zoom)のハイブリッド

発題者:五百井正浩(真宗大谷派ボランティア委員会)・東海泰典(曹洞宗松源寺住職、SVA)・八本俊之(真如苑SeRV)・池田奈津江(弥生神社)・阿部明徳(下谷神社)・石川一由紀(救世軍本営 社会福祉部長)・篠原祥哲(WCRP日本委員会事務局長)

司会:稲場圭信・島薗進