教育YouTube

<教育ＹｏｕＴｕｂｅｒ>葉一はいちさんに聞く 2020.2.2聖教新聞 https://19ch.tv/(葉一さんのサイト)

葉一さんのサイト

「授業が分からない」の悩みをサポート・・授業で分からなかったところは動画で学び直す。――そんな学び方をする子どもたちがいます。動画投稿サイト「YouTube」に、学習を補助する授業動画を配信し、教育YouTuberとして知られる葉一さんに、動画学習の魅力について聞きました。

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エンタメ系だけではない

――YouTubeへの授業動画の配信はいつから始めたのですか。

2012年から「とある男が授業をしてみた」というチャンネルで、配信し始めました。元は塾講師をやっていたのですが、金銭的な問題で塾に通うことができないご家庭がたくさんあることを知りました。無料で子どもたちが手軽にいつでも学べる方法はないか考えた時、YouTubeが便利だと思ったのです。

現在、小学生から高校生まで教科ごとに3000本以上の授業をアップしています。

私が始めた当初はまだ少なかった教育系の動画ですが、今では、YouTubeをはじめ、NHKや大手企業などでも、幼児から大学生向けにさまざまなコンテンツを配信しています。

子どもがタブレットやスマホなどで動画を見ている場合、多くはエンタメ系を見ているので、親御さんたちは「けしからん」と思う方も多いと思います。ですが、中には授業動画、学習動画を見て、学ぼうとしている子どもたちもいます。そのことをまずは知ってほしいと思います。

短時間で解き方を伝える

――動画を使って主にどのように学習するのでしょうか。

知識を深めたい子、分からない問題の解説を知りたい子など、ニーズはさまざまですが、分からない点を知りたい場合、例えば、「因数分解」「学習」などと文字を入力して、該当する動画を探すやり方が主流です。最近は高学歴ブームでもあり、受験を控えた高校生には、“東大生が教える勉強法”といったコンテンツも人気のようです。

私が運営するチャンネルには、テスト対策で見にくる子が多いので、特に学校の試験期間の前にはアクセスが集中します。

――学ぶツールとして、動画の活用が広がっているのですね。葉一さんは動画を作成する際、どのような点にこだわっていますか。

動画は最初の10秒で決まる、といわれます。見た目で興味が湧かず、嫌だと思えば、すぐに違う動画に行ってしまいます。だから、ぱっと見で、面白そう、分かりやすそう、と思ってもらえるように、見た目も気を付けています。ホワイトボードに書く文字の形は角ばった文字ではなく、親しみをもちやすいように丸みのあるものにし、赤や青色なども使います。

また、勉強に苦手意識があって、「この問題の解決方法をすぐに知りたい」という思いで来る子も多いので、15分以内に端的にポイントを伝えられるように工夫しています。

親が学ぶと子どもが動く――なかなか家で勉強しない子への関わり方を教えてください。

子どもに学習をさせたい時は、何よりもまず、「親自身も勉強する」ことが大切だと思います。子どもは親の言動に強く影響を受けます。特に親が何かを勉強するという姿は子どもの「私も頑張ろう」につながりやすいので、試験などの有無に関係なく親が何かを学ぶ姿を見せると効果的です。実際、その一緒に学ぶツールに私の動画を利用してくださっているご家族もいらっしゃいます。

私の動画を利用する場合は、解説と演習問題をセットにしているので、先に演習問題を解いてみて、分からないところだけ解説を聞いてみる、というやり方でもよいでしょう。

子どものタイプによって、勉強がはかどる学習法はそれぞれです。市販の問題集を買って自宅で勉強するのがはかどる子もいれば、塾、通信添削、家庭教師などの方がはかどる子がいます。動画での学習もそのうちの一つのツールとして活用してもらえればうれしいです。

(写真)葉一さんが開設したＹｏｕＴｕｂｅチャンネル「とある男が授業をしてみた」の「因数分解」の授業から

プロフィル

はいち 1985年、福岡県生まれ。東京学芸大学卒業後、塾講師を経て独立。2012年にYouTubeチャンネル「とある男が授業をしてみた」を開設。小学生から高校生まで、教科別で学べる授業動画（無料）が人気を集める。現在、チャンネル登録者数は78万人超。2児の父。著作に『合格に導く最強の戦略を身につける！一生の武器になる勉強法』（KADOKAWA）など。

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