豊中市社会福祉協議会「豊中あぐり」の視察に行きました。
10/8(火) 大阪府豊中市にある都市型農園「豊中あぐり」様を視察しました。
会社を定年退職した後のセカンドライフをどのように過ごすのか、現役のサラリーマンの皆さんには大変興味のある事だと思います。
そんな方々の一つの選択肢として、今回視察でお邪魔をしました「豊中あぐり」様があるのではないかと思いました。
以下は、豊中あぐりプロジェクト事業に記載してある内容です。
「豊中あぐり」は、都市型農園を拠点に人と人とのつながり、ふれあい、認め合い、支え合う共有空間(コモンズ)を創造することで、社会参加(特に男性)を促進し、地域福祉の担い手づくりを目指します。
●活動内容の一例
・季節野菜の作り方と地域福祉の勉強会
・収穫体験
・地産地消のイベント
・ボランティアの勉強会
定年後の男性の社会参加、地域活動への架け橋として、そして男性のみで構成され、活動しているのが「豊中あぐり」です。
特に「定年後の男性」に対象を絞った着眼点が私はとても興味深かったです。
その仕掛けを作ったのが、豊中市社会福祉協議会 福祉推進室 事務局長 勝部麗子さんでした。
当日も同席していただきたくさんのお話しを聞かせていただけました。
勝部さんは、1984年に豊中市社会福祉協議会に入職し、2004年に全国で第一号のコミュニティソーシャルワーカーとして、知る人ぞ知る、とても有名な方です。
勝部さんの人柄、バイタリティーを身近で感じ、「この人がいたから、豊中あぐりに参加される男性たちが集まったんだなぁ。」と思いました。
もちろん、参加されている会員の方々も、すばらしい人たちです。
きっかけは、勝部さんだったと思いますが、その後の展開は会員さんによる自主運営であります。
さすが、日本の高度成長時代を支えたサラリーマン世代の方たちです。
会の運営や事業も計画的で、なおかつ、補助金等に頼らずほぼ独立採算でやられている事には本当に感心しました。
サラリーマンの時に培った経験や技術、人脈をいかんなく地域に発揮できる場として「豊中あぐり」がある、そう、会員さんはおっしゃっていました。
会員さんの中には、海外赴任が10年以上の経験があり、英語がペラペラという事もあって、外国籍の子どもたちのサポートをされている人もいました。
また、引きこもりの子どもたちに外に出てもらうきっかけとして、農園の壁に「絵」を書いてもらったり(美大生の提案がきっかけ。)、フォークソング全盛だった若い時に覚えたギターやピアノ演奏を披露している会員さんのグループに、ピアノが弾けるという引きこもりの子に参加してもらったり、ヤングケアラーの姉妹に農園に来てもらい、いつも妹をみていないと心配になるお姉ちゃんに、「おっちゃんたちが妹をみているから、あっちで収穫をしてきなさい。」と言って、その子の心の負担を柔らかくしたりと、私は、聞いていて涙が出そうなエピソードをたくさん聞かせていただきました。
引きこもりの子たちやヤングケアラーの姉妹との交流のお話しを聞かせていただいた事について、私はこう感想を述べました。
「様々な経験をされた先輩方だからこそ、その懐の深さというか、包容力があるからこそ、引きこもりの子たちが心を開くことができるんだと思いました。」
こう、感想を述べたあと、ある会員さんはこのように言われました。
「私たちの方が子どもたちに救われているんだと思いますよ。」
そのお話しを聞かせていただき、私はさらに胸を打たれました。
これらの福祉活動も豊中あぐりの活動方針に盛り込まれており、都市型農園を軸に、様々な活動をされています。
定年後の男性たちは、ものすごい「力」を持っています。
豊中あぐりのような、その力を活かす場を大口町にも作っていけると良いな、と思いました。
大変勉強になりました。
豊中あぐりのみなさん、ありがとうございました。