大口町立図書館の視察をしました。
2024年4月3日(水)16時 大口町中央公民館3階にある「大口町立図書館」にお邪魔しました。
6月の一般質問に「図書館」について取り上げる予定で、その下調べとして現地調査に赴きました。
ご案内頂いたのは、中学の同級生でもある「鈴木図書館長」でした。
同級生という事もあり、気さくに、ざっくばらんにお話しをしていただけました。
話しを進めていくうちに、当初私がイメージしていたのとは全く違う図書館の姿が見えてきました。
雑誌スポンサー制度を利用した本
雑誌スポンサー制度とは、図書館に配架する雑誌の購入代金を負担していただき、最新号雑誌カバーの表面と裏面にスポンサーの名称・広告を掲示させていただくものです。
雑誌の最新号は館内閲覧のため、多くの方の目にとまり、広告効果が期待できるとともに、スポンサーの地域貢献活動を広くアピールできます。
随時募集していますので情報発信の場としてぜひお役立てください。(大口町ホームページより)
今回の視察前に「令和5年度版図書館年報(令和4年度利用実績)」や、平成28年10月に出された「人が集まる空間づくり提言書」を読んで臨みました。
そこに書かれていた課題には、
「大口町立図書館は開館から40年が経過し、老朽化と高い書架など障害者差別解消法に対応することが困難な施設となっている。
施設の面積には限界があるため、多様化・高度化する住民ニーズを応えることが難しいのが現状である。
また、かつての人口増加時代から蔵書数の拡大の方向であったため、図書館自体の空間にかなりの物理的な窮屈感・閉塞感が見られる。新型コロナウィルス感染症の感染防止も考慮し、利用者が安心かつ快適に図書館を利用するための「空間的余裕」が必要となっている。 」
というものでした。
建物の老朽化や高い書架、増える蔵書に対して施設面積の限界など、物理的なネガティブ要因が図書館運営に大きく支障をきたし、新設図書館の必要性がやはりあるのでは、というのが私のイメージでした。
そのイメージは、私の浅慮であったことが鈴木館長との話しで痛感しました。全く恥ずかしい限りでした。
鈴木館長は、今ある施設を最大限に活かし、敷居を低くして、利用者の方々が入りやすく、使いやすい工夫を職員たちと日々話し合っている、という事をおっしゃっていました。
また、建物にお金をかけるのも良いが、それよりも一冊でも多くの図書にお金をかける事が利用者さんのメリットにつながるのではないか、という考えもお聞きしました。
中央公民館にある立地のメリットもお話しをいただきました。
「温水プールがあるので、そのついでに立ち寄ってくれたり、囲碁クラブが一階で活動していますが、その方々が囲碁の本を借りに来てくれたり、とか、他の図書館では駐車場の課題があるのですが、ココは駐車場がたくさんあって利便性がとても良いです。
最近の図書館は、複合的施設のひとつとして入っているのが多いのですが、大口の図書館は、プールや温泉やクラブ活動の場であったりする敷地内にあるので、そういう意味では同じと考えても良いのでは。」
というお話しをされました。
目から鱗が落ちた思いでそのお話しを聞いていました。
セルフ貸出機
館内には様々な工夫もなされていました。
その中で、「セルフ貸出機」の説明では、
「これは、スーパーにあるセルフレジと同じでバーコードを自分で読み込ませて借りれるシステムです。
子どもさんが遊び感覚でも使っています。
また、大人の方で、例えば医療関係の本を借りたいときに、何となく対面だと自分の病気などのプライバシーを勘繰られるのでは、という思いがよぎって中々借りにくいのも、セルフ貸出機なら気軽に借りれるという事があります。」
という説明を受けて、「なるほど!」と思いました。
こちらは、児童図書室の写真です。
大口町立図書館は、近隣市町に比べて児童図書が多いそうです。
また、新刊もいち早く取りそろえるようにしているとの事です。
その為か、町外の利用者の方もたくさん登録されています。
町外の本好きな方々に大口町立図書館は、一目置かれている存在のようです。
それを表すエピソードとして、
「江南市の新図書館ができるまで4か月間ほどの期間、江南市の方がドッと大口町立図書館に来ました。
その方々の大半が、新江南図書館が出来ても、大口の図書館を継続的に利用いただいている。」
との事です。
その理由は様々ですが、大口町立図書館の強みである、新刊が早く読めることや児童図書がたくさんある事があるようです。
また、他市町の利用者が「大口町の図書館の本は、とてもきれいだ。」というお話しもうかがいました。
鈴木館長から、
「大口町立図書館は、コロナ禍前から返却された本の表紙、裏表紙をしっかり拭く、という事が徹底されていて、それで、大口町の図書館の本はきれいだ、と言っていただいているのだと思います。」
大口町立図書館の「本」に対する想い、愛着がうかがえます。
また、本を借りに来られる方々への配慮が感じられます。
「それもあってか、本を返却される方々も綺麗な状態で返却していただけるんですよ。」
と鈴木館長は笑みを浮かべながらお話しをされました。
人気の学習スペースです。テスト前などは大勢の子どもさんが利用します。
こちらは「ひよこルーム」です。授乳室も設置されています。
雑誌スポンサーコーナーです。こちらも近隣市町に比べてスポンサーになって頂ける企業さんが多いとの事です。
一般図書室です。
24時間返却可能のブックポストです。コレが有るのと無いのとでは、利用者の利便性が全く違ってきますね。
中 央 公 民 館 「 憩 い の 四 季 」 入 口 横にあるブックポストです。
本の返却が24時間できます。
大 口 町 役 場 正 面 玄 関 入 り 口にあるブックポストです。
役場にも本の返却ポストがありますので便利ですね。
今回は、一般質問の下調べで大口町立図書館に来ました。
やはり現地に来て、現場で働いている方々のお話しをお伺いしなければ、「今」を知ることは出来ないと痛感しました。
今回は、あまりに自分が無知過ぎていましたので、ヒアリングの域まで達しませんでした。
一般質問までにもう一度お邪魔して、今度はもう少し濃い視察にしたいと思います。
鈴木館長、職員の皆さま、ありがとうございました。また来ます!