本学会ではこれまでにSSH、出前授業などを通して高校を支援、広くは小中高校生に楽しさを伝える科学教室を開催、ビデオ教材の開発や配信なども行ってきた。身近な大学改革や入試改革に加えて、以上のような指導要領改訂の理念を参考に、改めて学会のできる支援を考えたい。生徒の学び支援は目的とするところであるが、直接的に広く行うことには限界があり、生徒の実態を把握している先生を介して間接的に行うのが現実的である。教科指導内容と身の回りのものを繋ぐことで生徒の思考を促す授業への改善推進、課題解決の実例を通して自分事として社会との繋がりを考える探究授業のデザイン等への教材提供は可能であろう。SNS活用の対話を通した協働で時間と空間を越えて連携を展開する他、データベースでその進捗や成果を共有して持続的な改善を可能とし、人工知能を個別に活用することを可能とできるであろう。イノベーション関連の学会も巻き込むことで、こうしたボトムアップの力をトップダウンの政策に繋げる道を開くこともできるであろう。探究の時間では研究者、技術者としての体験、生き様を直接生徒に語りかけることで、教科を越えて社会と繋ぐこともできる。ビデオやアニメーションなどの視覚メディアも活用することで、生徒をワクワクさせる探究プログラムの開発も有効である。
一緒にやりませんか! こうした活動は現役の会員に加えて、組織から解放されて第2、第3の人生を送る年金生活者の方に勧めたい。物が豊かになった時代に心の豊かさを求める新たな文化構築は、人生100年時代におけるシニアの役割でもあるでしょう。