日時:第1回:2025年11月21日(金)17:00~19:00
第2回:2025年12月20日(土)13:00~15:00
会場:第1回:東洋大学 白山キャンパス A304教室
第2回:東洋大学 白山キャンパス 1608教室、キャンパスプラザ
参加者:第1回 学生16名、第2回 学生20名
協力:オフィスH2レジリエンス、本田技研工業株式会社
水素エネルギーへの理解を深める目的で、5月にアンバサダー内部で実施した「大人の社会科見学」にて、「東京スイソミル」 を見学した際、施設運営に携わっているオフィスH2レジリエンスの長谷川様より、「共同で企画実施をしませんか」とお声がけをいただいたことが契機となり、本企画はスタートしました。
国際情勢の変化に伴う資源価格の高騰やエネルギー安全保障への懸念を背景に、カーボンニュートラルの実現に向けた技術革新や産業構造転換の重要性は一層高まっています。中でも水素は、再生可能エネルギーや蓄電池と並ぶ次世代の脱炭素技術として注目されている一方で、導入に伴う課題や経済的価値の変動については、幅広い理解が求められています。
アンバサダー活動の中でもエネルギー分野に取り組む事例は少なく、大学においてもエネルギー問題を専門的に扱う機会は限られていますが、脱炭素化やエネルギー問題は、現代社会において避けて通れない重要なテーマであると考え、本企画においてカーボンニュートラル社会への転換を「自分ごと」として捉える機会を提供できる場を創出することを目指しました。なお本企画は全2回構成とし、連続参加を推奨するイベントとして実施しました。
【第1回】
第1回では、タイトルの通り「脱炭素化社会」への構造転換をテーマに、水素を軸とした全体像について、オフィスH2レジリエンスの長谷川様よりご講演いただきました。約90分間の講義は3つのセッションに分けて行われ、脱炭素化社会の背景や水素の役割について体系的に学びました。専門用語も多く難易度が高い内容であったため、セッションごとに運営学生が質問を行う簡単なパネルディスカッション形式を取り入れ、参加者が内容を整理しながら理解を深められる構成としました。
残りの約30分はクイズタイムとし、講義内容のアウトプットを目的としました。運営側が事前に用意した問題に答える形式ではなく、参加者自身が講義内容を振り返りながらクイズを作成する形式とし、各グループにセッション①~③の出題範囲を割り当てました。シンキングタイムでは、他グループの問題に回答することで講義全体を振り返ることになります。この取り組みは想定以上に盛り上がり、参加者によるクイズ作成の工夫も見られ、理解の定着につながる時間となりました。
第1回は参加者募集に苦戦した点が反省として残っていますが、少人数であったからこそ、講師との距離が近く、丁寧なやり取りが可能となりました。また運営学生は事前学習のため、長谷川様より3~4回の模擬講義を受け、内容についての理解を深めましたが、模擬講義後には運営学生間で理解が難しかった点や改善できそうな点を共有し、それらを長谷川様にフィードバックすることで、当日の講義内容のブラッシュアップを重ねました。「普段エネルギー分野に触れる機会のない学生にとっては、かなり難しい内容になってしまうのではないか」、「果たして参加学生はこのレベルについて来られるのだろうか」といった不安が正直ありましたが、当日まで講義内容のすり合わせを重ねたことで、難易度の高い内容でありながらも、参加者からは前向きな感想が多く寄せられました。
~以下、第1回参加者アンケートより抜粋~
・水素が身近なエネルギーになる未来が少し見えた。
・エネルギー関係の仕事には就かない予定だったが、生きるためにエネルギーを消費している以上は誰にでも該当するものであって、自分事として考えないといけない分野だと再認識した。
・最後のクイズ時間では、参加者がただ答えるのではなく、参加者が作る側に回ることでイベント全体を振り返る良いきっかけになっていたと思う。
【第2回】
第2回では、本田技研工業株式会社にご協力いただき、ワークショップおよび燃料電池自動車を用いた給電デモンストレーションを実施しました。第1回で学んだ理論や社会背景を踏まえ、実際の企業の取り組みを体感することで、水素をより身近に感じてもらうことを狙いとしました。
約1時間のワークショップでは本田技研工業株式会社様より水素活用事例や燃料電池の仕組みについて説明を受けた後、「みんなが期待する水素社会」をテーマにグループディスカッションを行いました。「燃料電池自動車を利用してキャンプが楽しめる」といったアイデアや「自分で使う電気は自分で賄うことが当たり前になる」といった多様な意見が出されました。また、ミニカーを用いた実験を通じて、燃料電池の仕組みを理解することができました。
その後、キャンパスプラザに移動し、燃料電池自動車による給電デモンストレーションを実施しました。クリスマスツリーのライトアップや、スピーカーでのクリスマスソングの再生、電気ポットによるココアの提供など、季節性と独自性を取り入れた内容としたことで、参加者の関心を高めることができました。企業様からも、「これまで実施してきた給電デモンストレーションの中で最も盛り上がったと感じている」との評価をいただきました。
~以下、第2回参加者アンケートより抜粋~
・水素エネルギーはもちろん聞いたことがありましたが、水素がこんなにも可能性を秘めている物質であったことは初めて知りました。水素自動車が一般的に普及すれば、未来はもっといい地球になってそうだなー!とワクワクしました!
・実際に燃料電池自動車を見学した。実際に発生させた電気を供給していたり、水を排出していたりといった様子が見られた。内蔵されたシステムに環境問題を解決に導くヒントが多く散りばめられていた。
・まずは多くの人に水素の存在を知ってもらい、イベントなどを通して体験してもらうことが、水素社会や脱炭素
社会の実現に近づくのではないかと思いました。
全2回のイベントを通して、興味はあっても今まであまり触れる機会のなかったエネルギー分野や脱炭素化社会について、理解度を深める貴重な機会となりました。参加者はもちろん、運営学生にとっても企画段階から有意義な時間を過ごすことができたと感じています。
企画・運営の面では苦戦した場面も多く、いくつかの反省点が残りました。特に、運営学生と先方との間での意見のとりまとめや調整に難しさを感じることがあり、今後の企画運営に向けた改善点として認識しています。最後に、本企画に際し多大なるご協力を賜ったオフィスH2レジリエンスの長谷川様、ならびに貴重な機会を提供してくださった本田技研工業株式会社の皆様に、心より感謝申し上げます。
今回の経験を活かし、来年度以降は他キャンパスでの展開も視野に入れながら、SDGsアンバサダーとしてエネルギー分野の活動を継続していきたいと考えています。