ここでは、本学のゼミや個人単位で令和6年能登半島地震に関わる活動を実施した学生による活動の報告を一部掲載します。
2026年3月14日 1名
被災地の現状視察および当事者との意見交換を主軸とした支援を行いました。
今回、訪問させていただいた地区は町内の世帯数が一桁の、いわゆる孤立に近い住宅地であった。実際に現地の方々の声を伺う中で、町内の急速な高齢化や、コミュニティ維持の難しさが深刻な問題であると肌で感じた。特に山間部では通信環境が整わず、緊急時の連絡手段が断たれる危機の大きさを痛感した。安否確認や救助に直結する通信インフラの脆弱性は命に関わる問題であり、早急な対策の必要性を強く実感した。
また、復興支援金が居住者の生活だけでなく、空き家の処理にも充てられている現状を知り、驚きとともに復興の難しさを感じた。限られた予算が分散されることで、生活再建が阻まれる矛盾を目の当たりにし、被災地の真のニーズを理解する重要性を学んだ。活動を通じて、自分にできることは微力かもしれないが、被災地の現状を風化させずに周囲へ伝え続けることも、学生である私たちができる大切な支援の一つだと確信した。
今回の経験を糧に、今後は防災の知識を深めるとともに、緊急時のための地域のコミュニティづくりや町おこしなどを自ら進んで取り組んでいきたいと考えている。
2025年8月7日~11日 2名
輪島市内の現地調査および重蔵神社で食料配布を行いました。
地元の飲食店では、当時の状況についてもお話を伺うことができ、輪島市では地震や津波の被害はほとんどなかったことや、このお店は奇跡的に土砂災害の被害も免れたこと、再開直後は来店するお客さんのほとんどが作業員やボランティアの方だったことなど、現地に行かなければ聞けない貴重な体験談に触れることができた。また、被災前の祭りやお店で行っていたイベントについてのお話も伺い、地域の方々が日々大切にしてきた暮らしや文化を知ることもできた。
このような経験を通じて、自分が同じような災害に遭った時にどう行動するべきか、何が最善なのか改めて考えさせられた。自分の防災意識や考えがまだまだ甘かったことを痛感すると同時に、活動前はどこか他人事のようにとらえていた地震や豪雨災害が、実際に現地で活動することでより身近な問題として感じられるようになった。
今後は、今回のボランティア活動で得た学びや経験を活かし、これからも能登の復興のために自分にできることを続けていきたいと考えており、日頃から防災の意識を高め、いざという時には自分が率先して行動できるよう、準備していきたい。(情報連携学部情報連携学科2年)
まずあげたいのが輪島の人たちの温かさである。もちろん少し気の難しい人もいたのではあるがほとんどの人はとてもやさしく、飲食店での調査時は災害で受けたお店並びに周辺の被害の様子を詳しく教えてくれたり、食料配布の時も笑顔で「どうもありがとう」と返してくれたりなどという温かさがとても印象に残っている。特に印象に残っている話は、芽吹きというお店の店主さんの話だ。そのお店は災害後に新しくできたお店なのだが、店主さんは災害があったからこそ奮起し、復興に向けて活力がわいてきたと話しており、何となく災害後の地域は元気がなくなってしまうと思い込んでいた私にとっては、とても感銘を受ける話であった。私は正直今回現地に行くまで輪島のことは地震と洪水があった程度のことしか知らなかったし、愛着や思い入れといったものもなかったのだが、今回の5日間で一気に気持ちが「輪島のために何か活動をしていきたい」と思うようになった。(情報連携学部情報連携学科2年)
2025年5月24日~25日 1名
穴水町宇加川地区において海岸清掃や地域の方との交流会を行いました。
1年ぶり2回目の穴水町への訪問だった。
昨年5月に訪れた際には、建物が倒壊したままであったり、地割れや地すべりがほとんど手つかずであったりと、その被害の大きさを肌で実感した。しかし、発災から1年以上経った今回の訪問では、建物の解体や道路の復旧作業がかなり進み、少しずつ人々の笑顔と落ち着きが戻りつつある様子が見られた。
ただ、復旧が進む一方で、建物が取り壊され更地になってしまった街の姿を前に、「復旧が進んでよかった」と安堵する声とともに、「寂しくなってしまった」という声も耳にした。被災された方々の心の中には、「前に進むこと」と、「過去を手放すこと」との間で揺れる思いがあった。そうした中で、我々ボランティアがその気持ちに寄り添う存在として関われたことに、大きな意義を感じた。
宇加川地区での交流会では、参加者が1人ずつ地元の「自慢」を語ってくださった。海と山に囲まれた能登の、自然の恵みを語る方が多い中で、私が最も印象に残ったのは、「うちの自慢は、なんといっても“人”です。」と多くの方が口をそろえておっしゃっていたことだ。短い時間の交流だったにもかかわらず、交流会後には多くの皆さんが、「またおいで。」「今度来るときはうちに泊まっていきな!」と温かく声をかけていただき、宇加川の“人”の「つながりの深さ」と「温かさ」を強く感じた。
また、交流会でお話を伺う中で、「孫がもう来たくないと言っている。」「こんな大人数の集まりは数十年ぶりじゃないか。」「かつてのように、またお祭りもやりたいね。」などといった声からは、震災が地域の絆にもたらした影響と、それでも前を向こうとする気持ちが伝わってきた。
この経験を通じて、災害の復旧とは単にインフラの再建にとどまらず、「人の気持ち」や「地域のつながり」といった目に見えない部分にも深く関わるものであることを今回学んだ。加えて、地方の人口流出という課題が、震災を機にさらに深刻化している現実についても、今一度考える必要があると強く感じた。(法学部企業法学科3年)
2025年5月1日~5月3日 4名
輪島市災害たすけあいセンターにて、被災した一般家屋の泥のかき出し作業や支援物資の保管テントの整理および住民への配布活動、住民への聞き込みによる現地調査を行いました。
今回の活動を通して、私が学んだことは大きく二つあります。一つ目は、学生によるボランティア活動の“存在そのもの”への需要です。二つ目は、復旧支援の段階が終わりつつあるという現実です。また、今回の活動を通じて感じたのは、ボランティア活動においても「ニーズの把握」や「他団体との差別化(STPなど)」の視点が重要であるということです。一部のボランティア団体では、これらを十分に考慮せず、活動が自己満足で終わってしまっているケースも見受けられます。支援を本当に必要としている人々に届かず、持続的な価値を生まない活動は、残念ながら本来の目的を果たしていないと感じます。
私たちは、常に現地の声に耳を傾け、必要とされている支援を見極めながら、「相手本位」でかつ「実効性のある活動」を心がけていきたいと考えています。
今後の活動として、私は輪島市の観光促進を目的としたアプリの開発を計画しています。これは、地域の魅力を再発見し、継続的な支援と関心を促すことを目的としています。観光課など地元の行政機関とも連携を図りながら、実際に活用されるサービスを目指していきます。(情報連携学部情報連携学科2年)
被災地復旧のボランティアの需要がすでに減少しつつあるという点に驚きました。今回の活動で、今後は「復旧」ではなく「復興」を支援する形で被災地に関わっていきたいと考えるようになりました。石川県を含め、近年大規模災害が起きた地域は私の住む東京都から距離があり、また私は体力に自信がありません。復旧支援のボランティアは現地での力仕事が多いため、私にはあまり向いていないという事実があります。しかし、復興支援であれば、現地に行かなくても力になれることがあると気づきました。自分に合った方法で被災地を支援できることが、今後の目標です。
今回の輪島市での活動では、被災地であることを生かした観光資源としての魅力を伝えたいという住民の方々の思いを知りました。住民の協力により、初日には千枚田周辺の散策が実現し、地域の魅力を直接体感することができました。今後は、輪島市の観光客を増やす取り組みを支援することで、復興に貢献していきたいと考えています。(情報連携学部情報連携学科2年)
初日には町の方や市議会議員の方の案内で町を巡った。かつて整備されていた海岸は流木や巨大な岩、ごみで埋め尽くされ、観光名所だった曽々木海岸の岩窓もその姿を変えていた。千枚田も土砂崩れで半分も稼働できず、山肌の木々は剝がれ、むき出しの岩が今にも崩れそうだった。私は、町の人々はさぞかし打ちのめされているだろうと思っていた。しかし意外にも、彼らは明るく、楽しそうに私たちを迎えてくれた。それが若者の来訪を喜んでのことなのか、あるいは無理に元気に振る舞っているだけなのかはわからなかったが、その明るさは私にこれまでの葛藤や今後の困難も吹き飛ばす力を感じさせた。私は、この町の深い傷を癒すために、自分にできることをしたいと強く思った。
2~3日目には、町の人々と直接触れ合う中で、今後自分が進むべき方向が見えてきた。現在能登は未だ復旧の段階ではあるものの、インフラはある程度修復され、避難所にいる人はおらず、多くの人が仮設住宅で生活していることから、復旧から復興への転換点に差し掛かっていることが分かった。そうと決まれば、この町にはどのような需要があるのかを考え、友人たちとたくさん話し合った。友人たちとの話し合いの中で、能登の観光資源を活用することが重要だと考え、町役場の観光課と連携してナビアプリの開発に取り組むことにした。今年8月には再び能登を訪れ、実地調査を行い、アプリに必要な情報を集める予定である。(情報連携学部情報連携学科2年)
初日は輪島市役所の上にあるカフェを利用をしました。このきれいで広々とした店内を『青いビブス』の企画で実施するおいしい輪島のグルメ紹介に掲載して、是非とも色んな人に知っていたたきたいと思い、お話を伺いました。夕方には住民の方から、たけのこが毎日たくさん生えてきて収穫が大変だから手伝ってほしいという要望があり、たけのこ採りをしました。このような小さな困りごとこそ実は住民が求めているニーズで、決してボランティアに行ったからといって特別なことをしなくてはいけない訳ではないのだと気付きました。それは私たちが誰かに褒められるためにも、誰かから評価してもらうためにもボランティアをしているわけではなく、ただそこにいる同じ人間として困っている人を心から助けたくて、笑顔になってほしいからやっているのだなと思いました。
住民の人たちとの何気ない日常会話をしていると、私たちの会話とかけ離れたものではなく、確かにそこで支援は受けているのだけれども、『支援する者⇒支援を受ける者』の一方向ではなく、『支援する者⇔支援を受ける者』のお互いの助け合いによって支えられていているのだと感じました。(生命科学部生物資源学科2年)