日時:2025年8月26日~28日、9月11日~14日
会場:静岡県熱海市下多賀
参加者:学生7名
協力:株式会社 Perma Future、西島農園
「ののの*1」は、「No 農 No LIFE」の頭文字をとった名称であり、「農」への敷居を限りなく低くし、より多くの人々に農業の魅力を伝えることを目的として活動している。1 泊 2 日から気軽に農ライフを体験できるサービスを提供しており、誰もが農に親しむきっかけを得られる仕組みを整えている。
私たちは、朝霞キャンパス内で活動を行う機会が少なかったという現状を踏まえ、生物・農・食が深く関わる生命科学部および食環境科学部の2キャンパスとして、何か共同で取り組めることがあるのではないかと考えた。そこで、SDGs の観点も踏まえ、農業への理解を深めるとともに、現場が抱える課題や現状を学ぶことを目的として農業体験を企画した。その際、学生が団体で参加できる農業体験先を探す過程で、「ののの」の活動を知り、今回は女子組、男子組の 2 回に分けて参加に至った。
*1:株式会社 Perma Future が運営する、農家とボランティアのマッチングサービス。農業の敷居を低くするために、午前中に農作業、午後は滞在先での観光やテレワークなど、「半農半 X」の形態で農業に関わるきっかけを、ウェブサイトを通じて提供している。
【主な活動内容】
みかん畑での除草作業(草刈りや手作業)をはじめ、斜面での農作業体験や自然農法の現場での除草・防虫作業などを行い、みかん狩りに向けた畑の整備にも取り組みをした。また、地域の市場や農家の交流拠点、干物屋などを見学し、地元の方々との交流や聞き取りを通して、地域が抱える課題についても学んだ。
【ホスト(西島さん)、地域の方の声】
・熱海地域は観光地としての知名度が高く、行政も漁業や観光産業に力を入れているため、山間部の農業振興には支援が得られにくい現状がある。そのため農家は、農業団体など外部の支援を受けながら活動を続けている。漁業・観光産業への注力から、西島さんのお話によると、行政に事業相談をしても前向きな反応は得にくく、連携の難しさを感じているのでは?とおっしゃっていました。
・西島農園では、生理落下したみかんを肥料として再利用しているが、小規模のためジュース用の買い取り条件(1 トン以上)を満たすのは難しい。また、地球温暖化の影響で果実の品質が落ち、早めの収穫を余儀なくされている。
・地域の農業系大学生が研修に来ることもあるが、就農する人は少ない。農家の中には作業ごとに人を雇い、効率的に作業を行うところもある。
このように熱海地域では、観光中心の経済の中で、農業従事者が工夫や兼業を通して地域に貢献している実態が見られた。
【参加者が感じたこと】
・ 今回の西島農園での体験を通して、農業は単に作物を生産するだけでなく、人とのつながりや地域との協力によって依頼されていた。
・ 地域では定期的に市場が開かれ、農家同士が情報交換を行うなど、互いに助け合いながら活動している様子が印象的であった。
・ 天候に左右されやすい中で、晴れた日に役割分担をして効率的に作業する工夫や、自然農法・観光農業など付加価値を高める取り組みも見られた。さらに、落ちたみかんを肥料にしたり、灰を害虫予防に活用したりと、自然の循環を生かした知恵にも感心した。今回の体験を通して、農業は自然・地域・人が一体となって発展していく産業であると実感した。