GW能登半島地震災害ボランティア活動(輪島市)

2024年1月に発災した「令和6年能登半島地震」は甚大な被害をもたらしました。ボランティア支援室は3月~4月初旬にかけて学生12名を引率し、志賀町への災害ボランティアに参加しましたが、現在も被災されたご家庭のボランティアニーズは絶えません。そこで今回、被害の大きかった輪島市門前町において、瓦礫撤去や炊き出しを中心に、本学学生および教職員12名でボランティア活動を行いました。

活動概要

日時:2024年4月28日~5月1日

活動場所:石川県輪島市門前町(禅の里交流館

活動協力団体:公益社団法人シャンティ国際ボランティア会

参加者:東洋大学生8名、教員2名(髙山直樹 福祉社会デザイン学部教授、ジェイムズ・ダニエル・ショート 法学部教授)、職員2名

感想

・今回の活動を通じて、活動地の門前町に住む方々の魅力と、これからの復興において地域が抱える課題を実感した。門前町の方々は、私の想像以上に復興に対して前向きに考えており、活動期間中も町のいたるところで、復興活動に取り組む高齢者の姿が見られた。また、住民の方々は私たちを快く受け入れてくださり、地域のコミュニティの温かさも感じた。しかし、地域の深刻な過疎化、高齢化はやはり復興への大きな障壁となっており、3カ月が経過した現在も町の大部分は震災当時のままになっていた。加えて、行政や自治体からの支援は、震災から3か月が経過した現在も決して十分とはいえず、実際に支援活動を行っている方のほとんどは民間のボランティア団体の方々だった。メディア等ではあまり大きく報道されていないこれらの課題を現地で知り、私は、継続的な若者の支援活動への参加と、実際に被災地に行った人々からの情報発信が、復興への力になり得ると考え。今後も被災地への支援活動に参加し、被災者の方々の役に立ち続けたいと強く願った4日間の活動だった。

・本企画に参加して、実際の被災地の生活を見ることができ、深い学びにつながった。 自分は現地に行くまで、まだまだ物資が不足していて、食に困るのだろうと考えていたが、東京や金沢市内と同じように、おにぎりや寿司、お菓子などが売られていて、少しずつだが当たり前の生活を取り戻しているのだということを実感した。 他方で、のと里山海道は大部分が破損していたり、まだトイレが使えなかったりと、公共インフラの整備はまだまだ不足しているように感じられた。 また、避難所で使われていた段ボールベッドで寝たり、自衛隊のお風呂に入ったことで、少しではあるが被災者の気持ちを知ることができ、これが何ヶ月も続くのは大変だと思った。これらは実際に行ってみないとわからないし、おそらくこの経験を話さないと他の学生は想像もつかないだろう。そこで私たちが、現状を伝えていき、それが他の学生にとって何らかのアクションのきっかけとなればいいなと思う。
さらに、現地の方から、17年前にも地震があったがその揺れよりも大きかったこと、復興宣言がなされてから3年くらいで、またこのような地震が起こってしまったことを聞き、とてもいたたまれない気持ちになった。それでも「地震のおかげでこんなことができた」「地震で土地が隆起したから観光地にしよう」と辛くても前向きに捉える姿に勇気をもらった。 また、17年前の地震で被災していたにもかかわらず、防災意識が低下しており、「日本にいる限りいつ地震に遭うかわからないから備えて欲しい」と強く言っていたことが印象に残った。SDGsアンバサダーとして、より防災に関する企画を丁寧に作りたいと強く思った。

・今回のボランティアを通して、震災の恐ろしさを痛感しました。私は震災による甚大な被害を受けたことはありません。しかし、今回門前町で瓦が落下していたり潰れているお宅をこの目で見て、地域の方々とお話させていただき、震災はいつどこで起こるかわからず、日常を突然奪うものだと痛感しました。そのため、家に帰りすぐ防災グッズの確認をし、いざとなったときの避難場所を調べました。今回の経験がなければ、震災の対策をしっかりしようだなんて全く思わなかったと思います。この経験をどこまで伝えられるかわかりませんが、発信していきたいと思います。
被災されて辛いはずなのに、地域の方々は私たちに明るく声をかけて下さいました。道を歩いているだけで、挨拶をしてくれたことが印象に残っています。門前町の方から、地域住民同士の交流があったからこそ、震災後もすぐに安否確認が取れたというお話を聞きました。そのため、私は地域のコミュニティの繋がりはとても重要であると学びました。これらの経験を通して、地域福祉について更に学びを深めたいと考えます。

・活動を通し、人との関わり、繋がり、震災への意識、など多くのことを学びました。大学で授業を受けているだけでは、得ることができなかった経験や出会いを、得ることができました。一年生で応募することに対し、気が引けていた部分もありましたが、応募してよかったと思っています。
ボランティアは、どうしても効率的に作業を進めようとしてします。しかし、そこに住んでいた方の思い出がたくさん詰まった物を、一瞬で選別することは難しいです。今でも、選別しているときの依頼主さんの苦しそうな表情が忘れられません。依頼主さんの力になれていたのか不安でしたが、宮下さんの話にあったように、ボランティアの存在が心のケアになっていたら、嬉しく思います。 私は福祉を学んでいるので、今後、体が不自由な方の避難方法や、自衛隊風呂入浴時の支援など、災害時の福祉を学んでいきたいです。もし、次回も能登半島のボランティアに参加することができたら、「サロン活動」などに参加したり、お話を聞きたいです。

・今回初めて、大学が提供する課外活動に参加しました。瓦礫除去や、初めて間近で倒壊した家を見させていただいたり、直接被災者の方から話を聞いたり、戸惑いや悲しさや、申し訳なさなど、色々な感情が混じった時もありました。しかし、被災者の方が、辛いはずなのにそれを見せず、楽しそうに笑いながらお話ししてくださる姿を見て、自分も小さなことでくよくよしてはいけないなと感じました。私たちが元気を与える側なのに、逆に元気をもらいました。
私よりはるかに年下の子どもたちも、元気に楽しそうにしていましたが、地震の話になり、「怖かった。家が無くなっちゃった。どうしよう。」と話した時の悲しそうな表情は、今でも忘れられません。
活動を共にした仲間たちは、色々な思いや考えを持っていて、私ももっと限られた大学生活を頑張らないと、と思いました。互いに高めあえる仲間に出会えて嬉しかったです。この経験と石川県で出会った人達のことは生涯忘れません。これからも人と人との出会いを大切に生きていきたいです。

・このボランティア活動は被災された方のお手伝いをさせていただくだけでなく、自分の進路について考えるきっかけになりました。また、ニュースでしか知らなかった現場の状況を肌で感じることで、今まで得ることが出来ない経験をしました。できるだけ多くの人が参加して、自分が感じたことを身近な人に伝えていくことで、より多くの人々に災害について考えてもらうことができると思います。正直、今回たくさんのことを経験して、心の整理がまだついていない状態です。それほど、この企画でとても濃い経験を得ることが出来ました。今回の経験や反省を活かして、機会があれば次回、より活動しやすい環境を作れればいいなと思っています。