「今回だけでも多くの企業さん、人々と繋がれて何かしたい時に相談できる場所が増えました。このご縁を大切にしてどう活用していくかがこれからの課題です。」
「どのようなニーズがあるか正しく把握すること、伝統をどのように残すか、能登半島の中で七尾市の魅力は何かを見つけることが今後活動をする上で課題となると思った。」
社会貢献センターでは、2024年1月1日に発生した能登半島地震の被災地域において、珠洲市、輪島市、志賀町を中心に継続的なボランティア活動を実施してまいりました。 この度、七尾市と本学が「地域包括協定」を締結したことを受け、七尾市を新たな活動地域として追加すべく、2025年夏休みに学生団体「青いビブス」の学生とともに七尾市を訪問しました。
前回は市役所職員の方による案内で活動しましたが、今回は七尾市の「地域おこし協力隊」に協力を依頼し、市内の民間団体等を中心に活動を行いました。
2025年11月2日(日)~11月5日(水)
七尾市御禊地区、七尾市一本杉通り、おらっちゃ七尾事務室、震災廃棄物倉庫、七尾市御禊川地区
学生 3名 教職員 1名 合計 4名
活動場所:七尾市一本杉通り
活動内容:御禊地区の見学、「うますぎ一本杉」イベントの前日準備
七尾市地域おこし協力隊の酒井様に翌日に開催されるイベント「うますぎ一本杉」の会場である一本杉通りの案内を受け、その後イベントの前日準備を行った。
▼感想一部抜粋
・七尾市に初めて来て、驚いたことが3つありました。1つ目は、珠洲市や志賀町、輪島市に比べて周りがとても栄えていたことです。少ないながら電車も走っており、中心部の方は復興に少しづつ近づいている印象を受けました。しかし、一本杉通りや住宅街に入っていくと公費解体が進み開けた土地だけが残った場所や、まだ半壊の状態の家、まだ傾いたままそのままになっているお家が見られました。あれから1年半経ちますし、珠洲市などに比べたら復興が進んでいる印象でしたが、まだまだ支援を待ち望んでいる方々が多くいらっしゃるんだなととても胸が痛くなりました。空き地の活用について、何かいい案がないか学生目線で考えられることを追究していきたいと思いました。
2つ目は、七尾市は魚がおいしいということです。私はそもそも魚が食べられないのですが、七尾市の魚は初めてちゃんとおいしいと思えました。克服したと言ってもいいでしょう!沢山おいしいお魚を食べてきたので、どのような形で伝えていくかはまだわかりませんが、皆様にお伝えできる機会があればなと思います。
3つ目は、七尾市には熱烈なファンが多いということです。今回「うますぎ一本杉」の準備段階に携わらせていただいたのですが、皆さんいろいろな県から集まっており、皆様何度もこのイベントに携わってきていました。運営のメンバーさんがたくさんいるおかげで成り立っている「うますぎ一本杉」ですが、皆さん自主的に七尾市が大好きだから来ているようでした。私も沢山の優しさに触れ、七尾市が、地域の方々が、運営に携わるメンバーが大好きになりました。来年も必ず参加したいと思います!
活動場所:七尾市一本杉通り
活動内容:「うますぎ一本杉」イベントボランティア 活動主体:NPO法人ユナイテッド・アース
「うますぎ一本杉」の会場設営・運営に参加した。車や来場者の誘導、ステージの運営補助など。
▼感想一部抜粋
・活動を通して、七尾市の大きな課題として「見えない傷が多い」のではないかと考えた。それは、一見して、被害状況がひどい状況とはいえないが、物的被害は受けているし、何よりも、精神的な被害を受けていると感じたからである。七尾市では、他の市よりも早くにボランティアセンターやごみ置き場が閉鎖し、ボランティアや民間での活動が増えた。家屋の損害の程度は軽度であるがためインパクトが弱く、七尾を通り過ぎて輪島市、珠洲市へ行く人がやはり多いという現状がある。しかし世帯数が多いため支援のニーズは他市と変わらないというのが現実である。このような現実から、家族で対処してほしいという、地域力が強いからこその逆作用も存在していたのではないかとも考え、様々な面において「見えない傷が多い」のではないかという課題を認識した。そのような状況下でも、地元の方々がお祭りを大切にしているということをあらゆる場面で実感した。実際に参加した「うますぎ一本杉」も非常に賑わっており、本イベントはまだ歴史の浅い企画であるものの、伝統的なお祭りだけではなくそれぞれのイベントを大切にしている姿を目で見て実感できた。
活動場所:おらっちゃ七尾事務室、震災廃棄物倉庫
活動内容:「民間災害ボランティアセンターおらっっちゃ七尾」代表からの講演、廃棄物倉庫での仕分け作業、処理場への運搬
民間災害ボランティアセンター「おらっちゃ七尾」の事務局を務める一般社団法人「sien sien west」代表理事の今井様に七尾市の被災状況ついてのご講演を受けた。その後、仮ごみ置き場でごみの分別作業を行った。
▼感想一部抜粋
・七尾市の課題は目に見えずらいと思いました。だからこそまずは七尾市を学び、どんなことが実際に困っているかは次行った時に一人一人のことを大切に知り、何が必要か考えていこうと思いました。
・前日までは「地域振興」に関する活動を行ってきたが、「震災復旧」も同時に進んでいる現実を体験することができた。珠洲や輪島と比べると街中を見ても被害が少ないよう感じをしていたが、実際には半壊した家屋も多くあり、中の整理が全くできていない。というお宅もあることを知り、すでに市の震災がれきの回収が終了しているとのことで、「おらっちゃ」のような団体の必要性が高まっていることを知ることができた。行政では対応できない「個」の対応を行うことで、七尾の問題点をさらに知ることができるのではないかと感じた。(教職員)
活動場所:七尾市御禊川地区
活動内容:(株)御禊川での事業説明、課題解決ミーティング、空き家活用予定家屋の見学
株式会社御祓川の大鋸様より会社の概要や能登留学等の地域インターンについてのお話を受けた。その後、地域おこし協力隊の花田様より御祓地区における災害復興プランや七尾市のお祭り「青栢祭」についてお話しを受けた。最後に、七尾市役所ふるさと納税推進室の橋本様、堂脇様そして酒井様と「七尾ファンクラブに大学生が関心をもってくれるアクションプラン」「おらっちゃ七尾のボランティアに‘‘平日‘‘参加してくれる人を増やすアイデア」について学生間で意見をまとめ発表した。
▼感想一部抜粋
・4日間を通していかに自分が中途半端であったかを思いました。七尾であった企業さんやボランティアの方々のお話はもちろん、一緒に行ったメンバーのお話を聞く中で、私も本気で能登に七尾に関わりたい支援したいと思いました。ただ支援したいと思うだけでなく、覚悟や責任感をもって活動しよう、七尾のために何が出来るか知るために七尾を一から知ろうと思います。そして一期一会を大切にしようとも思いました。今回だけでも多くの企業さん、人々と繋がれて何かしたい時に相談できる場所が増えました。このご縁を大切にしてどう活用していくかがこれからの課題です。まずは青いビブスで能登、七尾のことを知り、幅広い視野を持ち学び、熱い心冷めた頭をもって取り組んでいこうと思います。
・様々な話を聞き、話し合いなどを通じて、地方において、大学生や若者の力の大きさに気付かされた。さらに、七尾市だけでなく能登において活動の幅を広げていくためにも、一度今回の活動をまとめて、今後のために考えていきたい。