東洋大学学生課外活動育成会企画 合宿型ボランティアプログラム
東洋大学学生課外活動育成会企画 合宿型ボランティアプログラム
2026年9月11日(金)~13日(日)(2泊3日)
福島県いわき市田人町
①里山の自然環境や生物多様性への理解を深め、保全活動への関心と実践意欲を高める。
②地域住民や行政との協働を通して、多様な主体が連携した地域づくりについて理解を深める。
③地域住民とボランティアの交流通して、社会課題の解決に向けた主体性やチームワーク、社会参画意識を高める。
学生10名
特定非営利活動法人NICE
田人里山再生委員会
NICE日本国際ワークキャンプセンター
ボランティア支援室
福島県いわき市田人町に田人ワークキャンプ・ビレッジを構える下條真輝(しもさん)と由美子さん(ゆみちゃん)は昔ながらの田人の風景と暮らしを守っていくために「田人ワークキャンプ・ビレッジ計画」を始めた。「地域の中の人と外の人とで一緒に作るまちにしたい」というコンセプトがあります。「田人ワークキャンプ・ビレッジ計画」以外にも地元の子ども向けに開催している「自然体験教室」や田人のブランド
米計画などを手掛けています。このように田人を盛り上げる若手、しもさんが手がけるワークキャンプに参加しました。今回は地元のいちご農家さんの苗植えボランティアもさせていただきました。
以下、本学学生からの報告です。
<1日目>
初日の午前中は食材の買い出しを行った。朝食と夕食はメンバー内で自炊をして用意するため、必要なものを予算2万円の中でどのようにやりくりするか、互いに相談しながら購入していった。午後に現地へ到着し、昼食や自己紹介、日程の確認を行った後、今回お世話になる下條さん夫婦から田人町についての説明を受けた。地域の課題や現状について改めて学ぶことで、これから自分たちがどのように貢献できるかを深く考える貴重な時間となった。その後は2つのチームに分かれて本格的な作業に入った。1つ目のグループは、宿泊させていただく施設の屋外整備を担当した。重いものを運ぶ力仕事がメインであったが、メンバー内で積極的に声を掛け合いながらテキパキと活動し、予定よりも早く終わらせることができた。もう1つのグループは、3日目の食器棚づくりに用いる板のペンキ塗りを行った。初めて作業するメンバーもいる中で、施設の管理を行っている下條さんに塗り方を教わりながら、全員が一生懸命に取り組んでいた。夕方になると夕食づくりに入った。料理が得意なメンバーが全体に声掛けを行いながら、一人一人が役割を持って準備を進めていった。メニューは、カレーと唐揚げ、そして手作りドレッシングのサラダである。初日ということもあり、緊張しているメンバーもいて最初は全体が静かな印象であったが、時間が経つにつれて会話がどんどん増えていった。料理の時間には、手が空いたメンバーが「何かできることはある?」と自発的に尋ねる場面もあり、周囲を見て積極的に動くことができていた。初日の中でグループ内の交流が盛んになり協調性が生まれたことは、2日目以降の活動にとても良い影響をもたらすこととなったと感じる。
<2日目>
2日目の朝食は、きのこたっぷりの味噌汁とごはん、目玉焼き、メヒカリの塩焼き、そして桃という地元の恵みを感じるメニューであった。この日は主に2つのグループに分かれて活動した。1つ目のグループは「田人観光いちご園」に行き、苗運びと苗植えの手伝いを行った。未経験のメンバーばかりであったが、農園の方に丁寧に教えていただきながら作業に取り組んだ。苗が入っているケースは約200個におよび、農園も非常に広大なため、いかに効率よく動くかが重要であった。メンバー同士で話し合い、試行錯誤しながら手を動かしている姿がとても印象的であった。また、学生メンバーだけでなく、多数の地域の方々も手伝いに来られており、いちご園が人々をつなぐコミュニティとしての側面も持っていると感じた。この活動を通して、農業の繊細さを実践的に知ると同時に、地域の方々との会話などから、農園がどのように田人町を支え、地域に貢献しているのかを学ぶことができた。もう1つのグループは、下條さん夫婦が取り組まれている「自然体験教室しもさん家」という活動のサポートを行った。これは地域の子供たちを施設に呼び、自然の中で自由に過ごしてもらいながら、挑戦する力や自己肯定感などの非認知能力を育む教室である。この日は外遊びをはじめ、大きな板への自由なお絵描き、ペッパーランチ作りなどを行った。メンバーは子供たちが安全に過ごすための見守りや、イベントがより充実するための支援に努めた。周りをよく見て積極的に手伝いをし、様々なことに興味を持って取り組む子供たちの主体的な姿に刺激を受けるとともに、学生メンバーからは「今の豊かな自然環境を守っていくことが、子供の成長にどれだけ大切なことなのか気づくきっかけとなった」という声も聞かれた。2グループの活動が終了した後は、メンバー全員で川に行ったり、夜に餃子づくりに取り組んだりして親睦をより深めることができた。
<3日目>
3日目の朝食は、けんちん汁とチャーハンであった。日中のメイン活動は3グループに分かれて行った。1つ目のグループは、ピザづくりとモッツァレラチーズづくりの体験を行った。ピザは生地からトッピングまで全て手作りで、屋外にあるピザ窯で焼く本格的なものである。チーズづくりはワークキャンプで初めて行う企画であり、上手に作れたら今後の自然体験教室で実施したいと下條さんがおっしゃっていた。メンバーは初めての生地作りに苦戦しながらも、下條さんのアドバイスを聞いて熱心に取り組んだ。また、チーズ作りでは温度管理に気を配りながら、牛乳や酢などをゆっくりと混ぜて固めていった。2つ目のグループは、食器棚づくりに取り組んだ。1日目にペンキ塗りをした板を、工具を使いながら組み立てていき、たくさんの食器が入る立派な棚を完成させた。作業の中には長さを正確に測るなどの難しい工程も含まれていたが、メンバー同士で協力して時間内に作り上げた。3つ目のグループは、子供たちが遊べる「砂場」をつくる手伝いを行った。施設がある土地は水はけが悪い地盤であり、雨水が溜まってぬかるみになるのを防ぐため、この日は水の流れる水路を作る作業を行った。スコップを使って掘る人、一輪車で掘った土を運ぶ人など、メンバー内で役割分担をしながら力仕事を頑張り、これからの作業の大切な基礎となる部分を作った。最後は、出来上がったピザやチーズを全員で食べ、片づけを行った後、全体で振り返る時間を過ごした。一人一人が田人町でいろいろな「はじめて」にチャレンジすることで、視野が広がったり、新たな価値観に出会ったりしたことを、言葉に出し合いながら共有していった。最後はメンバー全員がとても生き生きとしており、やり切ったという充実した表情だったように思う。
<最後に>
この3日間のワークキャンプを振り返ると、地域社会の現状を学び、メンバーそれぞれの成長につながる有意義な時間となったと感じる。最初は緊張や戸惑いもあったが、過疎地域の課題に向き合い多様な活動に取り組む中で、メンバー間の協調性を高めることができたと思う。田人町での様々な挑戦を通じて得た知識や考え方、気づきを今後の大学生活に活かしながら、これからも地域社会への貢献に努めていきたいと思う。