内田 彩 (国際観光学部)
春学期の事前学習を経たうえで、ゼミ学生15名で、9月3日から9月6日に秋田県湯沢市で現地調査を実施した。本年度は小安峡温泉を中心に観光資源調査をおこない、ワークショップでは地域活性化の現状を考察・議論したうえで、その課題と可能性について提言し、報告書の作成に取り組んだ。
●湯沢市は、人口減少、住民の高齢化などが大きな課題となっており、観光による交流人口、関係人口の増加に取り組んでいる。本活動では、湯沢市の観光政策において重要拠点の一つである小安峡温泉を対象に、学生自らが地域住民とともに、観光を通した課題解決の可能性を模索することで、大学での学びを社会に還元することを目的としている。また、この活動経験を通して、将来、地方の活性化を担う人材育成を行うことを意図しており、本学の社会貢献活動のさらなる発展に寄与する取組であるといえる。
●ジオパークカレッジは、ゆざわジオパークを活用した教育・学習活動の一環であり、「観光のグローバル化の可能性を考察することを目的とした、県外の大学生の観光に関連する調査活動の支援事業及び交流事業」と位置付けられている。そのため、湯沢市の協力のもと、観光資源を調査したうえで、行政、観光ボランティア、観光産業関係者から地域の課題と現状について学んだ。さらに、最終日のワークショップでは、学生から見た①湯沢市の観光資源の魅力と課題、可能性について発表した。これらを通して提案した内容は地域側から、非常に参考になったという意見をいただいた。以上から、学生の参画なくしては成立しない地域活性化事業であることに加え、学生にとっては大きな学びの場となると考えられる。そのために学生参画は不可欠である。
●観光計画の提案には、実際の地理空間情報もさることながら、地域関係者との交流、現地での視察、実習、対面での意見交換が欠かせない。各意見交換会では「高齢化が進む中、県外の若い方の視点や地域での活動は新たな気づきを与えてくれる」という評価を得ている。東北地方は、安価な交通手段が限られており、交通費の負担からゼミ活動で選択しにくい地域ではあるが、それゆえに本補助金の支援を得られたことは、非常に大きな意味を持った。
●活動した地域、団体との実績内容
①小安峡きらめき女子会(小安峡温泉の女将会)との意見交換会
②湯沢市ジオカレッジにおけるワークショップ・発表会
以上から、本活動を通して、学生たちが地域貢献への理解を深めるとともに、該当地域の地域活性化について、さらなる貢献を志すようになった。今後は、大学での学びの中で、これらの思いをいかし、大学での「知識」を社会に還元できるよう取り組んでいきたいと考えている。