市街地と郊外の有機的結合による全市観光の推進 

代表教員

佐野 浩祥 (国際観光学部)

活動概要

静岡県富士宮市の地域活性化を目標として、朝霧高原などの北部に観光客が集中し、市の中心部とのつながりが弱いことに着目して、市街地と郊外を有機的につないでいくことで、全市的な観光の活性化を推進しようとするものである。

成果

本プロジェクトに先立って、どのような問題解決を目指して、活動を展開していくのか。この根本的な問いを深めるために、なぜなぜ分析を行った。学生の興味関心を洗い出して4グループに分け、グループごとにメンバーの関心事や問題意識を共有した後に、富士宮の観光まちづくりに関する問題の本質をあぶり出すため、なぜなぜ分析を実施したのである。

なお、この4グループは、以下の通りである。

①情報発信に関するグループ

②市民の意識に関するグループ

③交通問題に関するグループ

④商店街に関するグループ

富士宮市の観光まちづくりに関する問題の本質を仮説的に掘り下げた後、それらを実証するため、富士宮への現地調査を実施した。現地調査は、4回にわたって実施された。富士宮市観光協会専務理事の赤池英明氏をはじめとする皆さまに多大なご協力をいただきながら、それぞれのテーマにしたがって調査を進めることができた。

2023年6月24日~25日の2日間にわたって実施された第1回現地調査は、まずは全グループで富士宮市観光協会を訪ね、赤池様に加えて、これまでの富士宮プロジェクトにおいて多大なるご協力をいただいてきた富士山ネイチャーツアーズの岩崎仁様に同席いただき、それぞれ準備してきた質問事項に沿ってインタビュー調査を実施した。その後は、各グループにわかれて、事前に立てた調査計画にしたがって現地調査を進めていった。

第2回現地調査は9月17日~18日の2日間で実施されたが、9月17日は中心商店街で宮町まつりや大神田楽市など複数のイベントが同時開催されて歩行者天国となっており、富士宮市のハレの顔に触れることができた。ここぞとばかりに、学生たちは出店者や買い物客にヒアリングを実施していた。また、交通問題に関するグループは、前回の現地調査に引き続き、E-bikeでの試走調査を実施した。情報発信に関するグループは、自らが富士宮の魅力を発信すべく、コンテンツ制作のためのカフェ取材を実施した。

第3回現地調査は11月26日~27日にかけて実施され、前回の現地調査を補足するような内容であった。富士山世界遺産センターを訪問し、富士宮の水に関するヒアリング調査を実施、富士宮市観光協会の赤池様・佐野様にグループごとの中間報告を実施してご助言をいただくなどの活動を実施した。

第4回現地調査は12月、商店街に関するグループが富士宮駅前のフジサンマルマルシェにおいて試行的に商店街の店舗の情報を掲示する黒板を設置させていただくこととなり、その様子を確認するために実施された。調査の過程で、地元新聞の取材を受け、紙面に掲載されることとなった。

2024年1月29日に、1年間のプロジェクトの成果を地域住民の皆さまと共有するための報告会を実施した。平日の夜にもかかわらず、30名近い方々に集まっていただき、あたたかく力強い言葉をいただくことができた。