沖縄の地域活性化の現状と将来像に関する調査活動  

代表教員

佐地 亮子 (社会学部)

活動概要

 本活動は、学生が沖縄県を訪問し、①歴史的記憶と平和教育、②伝統文化の継承、③多文化共生、④持続可能な経済発展にかかわるインタビュー調査を実施し、沖縄県の地域活性化の現状と将来像に関する調査報告書をまとめることで、関東に暮らす大学生の視点にもとづく新たな知見を地域社会に提示することを主な内容とする。

成果

 本活動では、6人の学生が、①歴史的記憶と平和教育、②伝統文化の継承、③多文化共生、④持続可能な経済発展というトピックのもとで、インタビュー調査を主とした社会調査を実施し、以下の問いを検討した。

・沖縄において戦争の記憶の継承がこれまでどのようになされ、これからどのような平和教育が目指されているのか。

・沖縄の伝統文化に対して地域住民はどのような感情を抱き、それらをどのように継承しようと考えているのか。

・沖縄県民の国内外への移動や沖縄県への国内外からの人の移動がどのように沖縄の地域的特性をつくりあげてきたのか、またこうした各種の人の移動により、どのような地域活性化や多文化共生にかかわる社会的諸課題を沖縄地域社会が抱えているのか。

・地域住民の視点から見た観光業以外の沖縄経済の発展のありかたとはどのようなものか。

 本調査の実施にあたっては、事前に沖縄の地方新聞社関係者に調査内容や方法についての指導と助言を受けた。加えて、ゼミでの活動で、沖縄の歴史と社会の現状に関わる文献調査を徹底した。調査実施後の9月からは、ゼミでの指導を通して、収集したデータを分析し、調査班でディスカッションを行い、卒業論文を含む合計6本の論考を作成していく。そして1月末をめどに、提出された論文を報告書にまとめる。完成した報告書は、調査協力者のみなさまに提出し、フィードバックをいただく予定である。

 以上のプロセスを経ることにより、本活動では、本学学生の沖縄の社会問題や歴史と文化、日本の平和教育に関する関心を醸成しながら、「⑪住み続けられるまちづくりを」等のSDGs達成に向けて活動するとともに、関東都市圏に住む学生の視点から、沖縄の地域活性化にかかわる新たな知見を調査協力者のみなさまに返していくことを目指す。一連の活動は、沖縄の地域の人々にとっても、関東在住の大学生の視点から見た沖縄を知る機会となり得る。こうした調査活動は、教育・研究資本に恵まれた大学の強みを存分に生かしたものであり、本学の地域社会への貢献の方法として極めて重要である。