富士宮市における食文化振興プロジェクト

代表教員:佐野 浩祥

国際観光学部国際観光学科

■活動内容

 本年度はコロナ禍の中での活動を余儀なくされ、4月から11月にかけては、富士宮市の現状や食のまちづくり事例などについて文献調査およびオンラインでのインタビュー調査を中心に進めた。12月12日に6名の学生が日帰りでの現地調査を実施し、富士宮市観光協会や富士山世界遺産センター等の施設を訪問しヒアリングを実施したほか、レンタサイクル(E-Bike)の試乗、中心市街地の視察などを行った。その後、学生による食文化振興と中心市街地活性化に関する提案をとりまとめ、2021年1月27日、地元関係者に広く声をかけ、オンラインでの報告会を実施した。報告内容については好意的な反応が多く、また、今後の活動についての意見も複数いただき、来年度の活動に向けた素地をつくることができた。

 

■活動の成果概要

 本年度の現地調査は、12月12日の6名の学生による日帰り調査にとどまる。富士宮市観光協会において観光ボランティアガイドによる説明をうかがい、富士山世界遺産センターでは学芸員による施設説明を受けた。うち3名は、市街地の宿泊施設(ゲストハウス掬水)にてE-Bikeに試乗し、E-Bikeによる広域観光の可能性について検討するために様々なルートをまわった。他の学生は、朝霧高原などの郊外の観光エリアに移動し、道の駅あさぎり高原や、まかいの牧場など、観光施設の担当者に広くインタビュー調査を実施するとともに、訪問者に対するアンケート調査(年齢・性別・出発地・観光目的・訪問場所など)を実施し、もともと郊外部に偏重している観光客の市街地への誘導を図るための潜在的マーケットについて把握することができた。また、浅間大社をはじめとする市街地の観光資源や商店街などの視察調査を実施した。
 以上の現地調査に加えて、6月30日に実施した富士宮市観光協会事務局長の土井一浩氏に対するインタビューでコロナによる富士宮市観光への影響や市・協会によるコロナ対策事業について把握し、10月6日に実施したゲストハウス掬水の田村琳子氏に対するインタビューでコロナによる宿泊事業への影響と対策、民間事業者による連携状況について把握することができ、以上の一連の調査にもとづく調査報告を通して、今後の取り組みに向けて富士宮市のカウンターパートとの信頼関係を醸成できたこと、そして学生によるビジョンや社会実験の提案に対して、ある程度の地元側の理解を得ることができたことが、昨年度に引き続き、今年度の活動の主な成果と言えよう。学生が主体となることによって、様々な関係者と接触することができた他、学生ならではの斬新なアイデアによって地元住民の関心をひくことができた。また、学生中心の発表会を実施することで、地元新聞にも大きく取り上げていただき、地元住民にも広く周知することができた。